「何度も悪夢見た」 梨田昌孝さん、壮絶なコロナ闘病語る

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退院1カ月後の開幕「励みに」

 ―梨田さんの最近の状況は。6月19日にはプロ野球が開幕する。

 きょう(6月11日)検査があって、「順調に回復している。少しずつ外に出ても大丈夫」と言われた。僕は5月20日に退院しているので、6月19日で1カ月。ちょうど野球の開幕に合わせたような感じで病気も治ってくれている。開幕は励みになりますね。

 甲子園でも、春の選抜(出場予定校)が1試合だけやるとかね。インターハイも中止だし高校野球も、と思った中での明るいニュース。春の選抜のチームが1試合だけでも甲子園で(試合が)できるということと、プロ野球の開幕というのが待ち遠しい。

 早く野球だけじゃなく芸能や文化、いろんなところで人が大きな声を出せるようになったらいい。

 ―今年はプロ野球も特殊な状況でシーズンを迎える。

  これだけ根付いたプロ野球だが、経営者の人は大変だと思う。ファンもそう。プロを目指す人たちもアピールする場がなくなるなどした。経営者だけの問題じゃないけど、できることをこつこつとやっていくことも大事。(コロナに)感染しないことは当然だけれども、人にうつさないこともね。プロ野球選手もストレスがたまると思うが、ちょっとでも笑顔になれる日が欲しい。

 (入院中に)初めて立って鏡を見た時、「なんちゅう顔してるんや」って思った。髪の毛はぼうぼうで白髪も出てきているし、見て情けないと思った。それに、笑おうと思っても笑えない。笑うって筋肉が要る。鏡を見て一人で笑うのはばかみたいだけど、笑顔っていいな、笑うってすごいなと思う。怒ったり嫌な顔を見せたりするより、にこにこ笑える世の中になってほしい。野球はどっちにしろ勝った負けたが出るんだから、選手にははつらつと、野球をさせてもらってありがたいな、というものを前面に出してほしい。

 ―ご自身が「やるべきこと」はどんなことだと思うか。

 こつこつとやっていくしかない。甲子園とかインターハイ、サッカーの試合もそうだけど、みんなやりたいことができない、発散できない中で話を聞いてあげるしかない。慰めの言葉を言ったって、じゃあ試合ができるのか、となるだろうから。

 自分が支援しているソフトボールの大会や軟式野球の大会も(コロナの影響で)全部中止になったので、そこには何らかの支援をしていきたいと思う。しばらく寝たきりで手が回っていないけど。

 僕は野球でここまできたので、とにかく野球に対して、あるいはスポーツに対して協力できることがあればどんどん参加して、やっていきたいなと思いますね。(2020年6月)

◇  ◇  ◇

 梨田 昌孝(なしだ・まさたか)1953年8月4日生まれ。島根県出身。浜田高からドラフト2位で72年に近鉄入団。強肩を武器に頭角を現し、手足をくねくねと動かして構える「こんにゃく打法」でも有名に。79、80年のパ・リーグ連覇に貢献。長く有田修三捕手と併用され、「近鉄には正捕手が2人いる」と言われた。88年に現役引退。93年に近鉄でコーチに就き、2軍監督を経て2000年に監督就任。01年にリーグ優勝に導き、04年限りで球団が消滅するまで近鉄を率いた。08~11年は日本ハムで監督を務めて09年にリーグ制覇。16年から18年途中まで楽天を率いた。

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