大谷翔平に1位票を投じた4つの理由 米大リーグ新人王選考委員体験記

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決め手は「99年ぶり二刀流」

 パソコンに投票結果を打ち込み、インターネットでの電子投票を済ませたのは締め切りの1時間前。BBWAAからは投票を催促するメールも届いていた。大谷に1位票を投じた理由を簡潔に示せば次の4点になる。

◆ベーブ・ルース以来99年ぶりとなる本格的な二刀流を実現させた。
◆成績を客観的に見比べても打者としての能力で大谷がアンドゥーハルに劣るとは言えない。
◆投手で4勝を挙げている。10試合の登板の中でも投手としての能力の高さを示した。
◆大リーグ1年目で投打にわたりメジャーのレベルに適応した。(アンドゥーハルは昨季5試合に出場している)

 日本プロ野球(NPB)のレベルは世界でも屈指の高さだと思っている。大谷は、そこで5年間もプレーし、MVPも獲得した。それほどの実力者であっても、大リーグで新人王を取る資格が与えられていること自体を疑問視する声もある。とはいえ、BBWAAが有資格者として扱っている以上は投票するべきだと判断した。

 新人王が発表された11月12日は、自分のことのように緊張しながら開票を伝えるテレビを見守っていた。結果は大谷が30人のうち25人から1位票の支持と文句なしの受賞。2位はアンドゥーハル、3位はトーレスと、自分の考えが反映されたような形となり、ほっとした。

 BBWAAのホームページで公開されている投票の詳細を確認すると、トミー・ジョン手術と投手の関係をめぐる著書で知られるヤフースポーツのジェフ・パッサン記者も大谷に1位票を投じている。パッサン記者は、開票後にツイッターで「大谷が成し遂げたことは歴史的なことだ」と理由を説明していた。

 アンドゥーハル、トーレスが所属するヤンキースのお膝元ニューヨークの支部に所属する記者も、2人のうちの1人が大谷の支持に回っていた。ニューヨーク・ポスト紙のジョエル・シャーマン記者は、9月末にMVPやサイ・ヤング賞を含め、各賞にふさわしい選手を選ぶ記事を執筆しており、新人王に関しては「あれだけ投げて打ったのは、1919年のベーブ・ルース以来だ」と大谷を推していた。同記者は新人王の投票権を持っており、いわば「宣言通り」の1位票を投じていた。

 ロサンゼルス支部からもう一人選出されたジル・ペインター・ロペス記者も、大谷に投票していた。理由を問い合わせると、すぐに連絡があり「翔平は、ほぼ100年にわたって誰もできなかったことを成し遂げた。打撃面では、22本塁打を放ったパワーに、10盗塁を決めたスピードも印象的だった。それにマウンドで4勝を挙げている」。目の肥えた大リーグ担当の記者たちが、一様にルース以来の快挙を高く評価していた。

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