大谷は9月2日のアストロズ戦で約3カ月ぶりの復帰登板を果たしたが、その後の再検査で右肘靱帯に新たな損傷が見つかり、医師からは復帰に1年以上を要する靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を勧められた。この勧告は9月5日のことだった。
球団の発表を受けて、試合開始前にばたばたと記事を書いていた。この時、ふと「さすがにもう試合には出ないだろうな。これで大谷の新人王も完全になくなってしまったな」と思った。ところが、グラウンドに目をやると、大谷は元気そうにウオーミングアップをしていた。
右肘手術の勧告は、投手生命の岐路に立たされたことを意味する、とも言える。なのに、何事もなかったかのように打者で出場。それだけでも驚いたが、その試合で2本塁打を放った。2本とも高々と舞い上がり、きれいな放物線を描いた。記者席のモニターに映し出されたベンチの大谷が笑顔を見せていたことも、強く印象に残っている。大谷は9月7日になって、シーズン終了までは手術を受けずに打者として試合に出る考えを表明した。
投げられない鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、9月は24試合の出場で27安打。うち7本塁打を含む13本が長打という見事としか言いようがない打撃だった。1シーズン見続けてきた選手の活躍は喜ばしいが、新人王選びは日に日に難しくなっていった。試合ごと、シーズン終盤は打席ごとに大谷に投票するべきか、はたまたアンドゥーハルを支持するべきかと考えていた。
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