政府がイラン情勢の悪化を受け、国が備蓄する石油の放出を検討していることが6日、関係者への取材で分かった。石油の国家備蓄を日本単独で放出することも視野に入れている。単独で実施すれば1978年の制度創設後初となる。各国から協調放出の提案があれば協議する。原油輸入の9割を超える中東産の供給不安が長期化した場合に備える。
石油の備蓄放出は、国際エネルギー機関(IEA)の下で各国が協調するのが通例で、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に実施した。エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖され、輸送タンカーが航行不能となる中、民間事業者が持つ在庫の減少を補う狙いがある。
国が全国の基地で保有する「国家備蓄」の一部を対象に情勢を見極め、実施の是非や放出量を慎重に判断する。放出分は国内の石油元売り各社へ売却する案が有力で、安定供給を確保する。