幻のオリンピック
戦争とアスリートの知られざる闘い
- 初版年月日
- 2020年7月25日
- 書店発売日
- 2020年7月20日
- 登録日
- 2020年6月29日
- 最終更新日
- 2024年11月4日
紹介
東京五輪中止! そのときアスリートたちは
新型コロナで東京五輪は延期。今、アスリートたちは夢の舞台を信じ、黙々と練習に励んでいるが、かつての日本には、夢のみならず命までも奪われたアスリートたちがいたーー。
1940年に開かれる予定だった”幻の東京五輪”。活躍が期待された選手たちは、戦争一色に染まる時代の中でスポーツの晴れ舞台から去り、戦地へと送られた。有名なアスリートたちは、国威発揚のために”宣伝効果”の高い激戦地に送り込まれ、多くの者が遠く離れた地で無念の死を遂げた。
いま再び、東京五輪が混乱する中、アスリートの尊厳を奪った戦争の事実を明らかにし、彼らの激動の人生を見つめる。
2019年8月18日に放送されたNHKスペシャル「戦争と”幻のオリンピック” アスリート 知られざる闘い」の書籍化。同番組は、北島康介や長谷部誠がガイド役となり”幻の東京五輪”で活躍が期待されたアスリートたちの無念の人生を辿り、話題となった。戦地に赴いたアスリートたちが家族に宛てた手紙や遺族の証言など、番組で放送できなかった重要資料も加え、個人のエピソードを軸に、戦争とスポーツの関係を改めて問う。
【編集担当からのおすすめ情報】
<著者紹介>
NHKスペシャル取材班
大鐘良一(NHK報道局スポーツ情報番組部 チーフ・プロデューサー)
中元健介(NHK報道局スポーツ情報番組部 チーフ・ディレクター)
篠崎貴志(NHK報道局社会番組部 チーフ・ディレクター)
山登義明(フリーディレクター/プロデューサー)
森田超(NHK報道局社会番組部 チーフ・プロデューサー)
吉田宏徳(NHKグローバルメディアサービス チーフ・プロデューサー)
目次
はじめに 3
第一章 国を背負ったアスリート・鈴木聞多 17
なぜ彼は自ら志願して戦争に行ったのか/八〇年経って見つかった映像/ オリンピックへの道/「日本は大会をボイコットすべし」/ 選手村には日本流の風呂が/ナチスが発案した「聖火リレー」/ 陸上チームのメダルラッシュ/四選手が同タイム/ 「僕も聞多さんと同じ体験をしてるんです」/君死にたもうことなかれ/ 「怪しい人間は殺します」/葬儀に参列した陸軍大臣
第二章 「ベルリンの奇跡」ーサッカー日本代表と戦争 69
ジャイアント・キリング/「日本人だ。日本人だ。日本人だ」/ 逆転ゴールを決めた俊足ストライカー/ 「戦争に行きたくない。サッカーを続けたい」/ 日本のサッカー界を苦しめたもの/途絶えた松永からの手紙/ 戦地でサッカーを教えていた/ガダルカナル島「最後の戦い」
第三章 幻となった東京オリンピック 105
発見された手帳/史上最強の代表チームを作った男/一高在学中に「自由形」で優勝/ 「水に如何に力を加えるか」/オリンピック水泳史上未曾有の戦果/ 調整に失敗したベルリン大会/一九四〇年大会を帝都・東京に/ 東京オリンピック中止/「ナショナリズムが世界平和を脅かす」/ 松澤の「面従腹背」/戦争とスポーツをめぐる議論/河童踊り
第四章 もうひとつのオリンピック 159
九六歳の証言者/「軍服を着て泳いだこともあった」/ 「最後に最高の記録を人生に残したい」/そして観客たちは立ち上がった/ 沖縄戦で帰らぬ人となったオリンピアン/「俺は泳いで与論島に行く」/ 元祖アイドルスイマー/夜の神宮プールで/戦没者たちへの涙
第五章 一九六四年「平和の行進」 203
ロンドン五輪をはるかに超えた水泳日本選手権/ 「国旗」のスペシャリスト/「まるで学徒出陣のようですね」/ 前代未聞の計画を実行する同志/巧妙かつ大胆な作戦
あとがき 231
日本人「戦没オリンピアン」一覧 10
おもな参考文献・資料 234
上記内容は本書刊行時のものです。