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【腐】好きな俳優が目の前に現れまして【槍弓】/Novel by 桜娜

【腐】好きな俳優が目の前に現れまして【槍弓】

6,092 character(s)12 mins

普通に大学通って普通にバイトして特に問題のない日常。ある日匿ってくれと今話題の俳優クー・フーリンに声をかけられた。えっ、えっ、ええええええ!?「部屋入っていいか?」「あぁ。・・・はっ、いかん」ベットに置いてるクーフーリン抱き枕片付けるの忘れていた。私は思わず抱き枕に向かってこれはサンドバックなのだと、ドロップキックをかましたのだった。俺のアンチだったんか?え、いやちがうんだ(隠れファンなんだ)■そんなこんなで俳優クー・フーリン×隠れクーファン大学生エミヤのお話です!■fgo始めてからのsnで槍弓沼にはまってしまいました、、、気持ち悪いくらい会話してるシーンをリピしている自分がいる。

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 明日は友人が家に遊びに来るということで私は朝から部屋をせっせっと片付けていた。保存用、観賞用、布教用の同一DVDたちは一枚一枚プチプチ梱包して段ボールに詰め、写真集はアンティークでお洒落なカバーをかけ、壁に貼ってるポスターは百均の綺麗に剥がせる両面テープをひっばって秒で剥がし、その他関連雑誌やグッズ全部をまとめて押入れに綺麗に詰め込んだ。
 こんなことするのもひと月に1回はしてるので慣れたものである。
 ちなみにAV、エロ本ではない。健全ではあるのだ。一体何を押入れに隠したか、それは今、女性たちから支持されている俳優クー・フーリン関連のもの。

 こんな筋肉ムキムキで真面目そうな男の私が部屋中にクー・フーリン、ましてや同性のグッズに囲まれてうはうはしてるなんて誰も想像なんてつかないだろう。友人にばれたりなんてしたら一気に広まって大学の居場所すらなくなる。あぁ考えるだけで怖い。なので友人が来るとわかったらこうやって片付けをするのだ。
 そして言っておくが、私はゲイではない。誰とでもすぐに仲良くなれて、後輩の面倒見の良い兄貴肌で色んな人から尊敬されてるクー・フーリンという男に私は憧れを抱いてるだけ。皮肉なことしか言えない不器用で友達も少なくて周りから距離を空けれたりなんてしてる私とは真逆の男だから余計に憧れなのだ。


 大学通うのに上京して初めての一人暮らしで寂しい思いをしていた時に、たまたまテレビつけたドラマの中に彼はいて。

 気づいたらテレビの前で正座して食い入るように見ていた。意外と面白いドラマだったな来週も見ようとスマホのアラーム設定なんてして、そこからクー・フーリンについて調べて、出演番組チェックからついったーでファンたちの叫びを見てうんうん分かると満足したり、雑誌やポスター購入したりと楽しみが増えて気づけば一人暮らしの寂しさは無くなっていた。

「うぬぬ、押入れに入れたのはいいが、やはり落ち着かんな」

 部屋がシンプルになって落ち着かない。ちらちらと押入れのほうをどうしても見てしまう。一日だけの辛抱だ・・・
せめて、押入れに入れてないクー・フーリンの抱き枕だけは明日ぎりぎりまで置いておく(枕無いと寝れないからな)


 数時間後、抱き枕片付けておけば良かったと私は後悔するのである。





 友人に料理もてなす明日の材料と今晩使う材料を近所のスーパーで買い揃えて帰ってたところ私は静かに歩く足を止めた。
「なんだ・・・?」

 マンションの入り口付近に全身黒づくめで帽子にグラサンにマスクといかにも怪しい恰好した男が腕を組んで突っ立っている。一応私は護身術は身につけてはいるが、怪しい男の背が私と同じくらいで大きい。それに謎にオーラがぎらぎらと凄くて下手に絡まれたりなんてしたら命が危ない気がする。しかし怪しい男の横を通らないと家に入れない。さてどうしよう、食材が痛むから早く冷蔵庫に入れたいのに。

 キョロキョロと何か落ちてないか見回す。
 ちょうど大きめの石が落ちていたので、すぐに拾ってマンションの入り口に目線がいかないよう道路側に思いきり投げ飛ばす。ガンっ、コロコロ・・・と石は転がり、怪しい男はファッ?!と驚いて石のほうへ動きだす。

(よし、入り口は通れるようになった。自慢ではないが私は脚が速いのでな。このまま走ってフィニッシュだ! さらば怪しい男よ)

 某21選手の様に買い物袋を胸のところでぎゅっと抱え込み、ダーっと真っすぐ走ってようやく入り口に突入。あとは階段飛ばしして二階までいけば大丈夫。

「・・・なぁ」
「へ、」

 階段を渡ってたところ、急に後ろから誰かに声をかけられ、思わず驚いて踏み外した。
 自分が階段から落ちる瞬間ちらりと見えた視界に映る、先ほどの黒づくめで怪しい男にギョッとする。ちょっと待ってくれ、この男追いかけるの速くないか、逃走者のハンターなのか?! なんなんだこやつは。あ、私は死んでしまうのか。
 落ちていく私は真下の怪しい男にぶつかり、一緒に床まで転がる形になった。幸い私は怪しい男のクッションとなった為そんな痛くなかった。
 手元にグラサンと帽子が転がっているのに気づき、一体奴はどんな顔をしているんだと逃げる前に好奇心で思わず振り返った。

 ーーーーッ。喉がひゅっとした。

「えっ!? え、んぐウっ」
「おい、静かにしてくれ」
 奴の大きい手が叫びかけていた私の口をふさいできた。
「あんたの部屋は階段上がってすぐか?」
 縦に頭をぶんぶんとする。そっか、じゃあ匿ってくんね? っと言われ、無理ですと言う手前に男の私を軽々と持ち上げ、階段飛ばしをしながら上がっていく。嘘だろ? やばい、どうしよう、思考が追い付かない。

「鍵はどこだ」
「・・・お尻のポケットに、っんぁ」
 すぐにでも家に入りたいのか、私がしゃべってる途中でジーンズの尻ポケットをまさぐる形で鍵を取ってドアロックを解除。くそ、変な声が出てしまって恥ずかしい。
 勢いよく扉を開けて中に入った。

「ふー、やっと落ち着けるぜ。あんがとなー、兄ちゃん」
 いや?! そもそも強引じゃないか。私の意見すら聞いてないではないか。お邪魔しまーすって言った傍からもう冷蔵庫開けて私の飲みかけのお茶を飲んでいる。ううううっ、この男め。でもそんな事言えない。だって、だって。

「こほん。貴様は、俳優のクー・フーリンだな?」
「お、知ってんだ。嬉しいね~」
「まぁな・・・」
 知 っ て る わ! 私はクー・フーリンのファンなんだぞ。毎日テレビで見てるし、深夜のラジオで声を聴いてるし、毎日更新してるブログだって読んでるし、ついったーだって追っている。
 ちょっと待て、今の私にやけてないだろうか。急激に不安になって頬を抑える。
「何してんだ?」
「え、いや。なんでもない」
「本題に入るけどよ。俺、最近仕事が増えすぎて嫌になってな・・・その上に一番やりたくない仕事が入って逃げてるわけ。んで、ここにたどりついた」
 面白いくらい誰も近寄らなくて、どうしようかと悩んだぜと呟く彼に、それはそうだろうと思った。あんな怪しさ満点な男見かけたら関わりたくない。
「はぁ、巻き込まれる私の身にもなってくれ、本気で殺されるかと思った。嫌で仕事避けてたらそのうち仕事なくなるぞ?」
「大の男が何よわっちぃこと言ってんだ。キスシーンありのCMなんだよ。それさえ無きゃなんでもやるわ」
 目がまるくなった。この男は何言ってるんだ。
「ふんっ、大の男が何を抜かす。キスなんてすぐだろ、それとも潔癖症なのかね」
 キスシーンが嫌とは。雑誌では強請られたらキスしたくなるとか書いてたような。あと潔癖なところがあるっていう情報は聞いたことない。もしかして彼女いるとか、か?
「そりゃキスは簡単だろうがな。潔癖ではねぇぞ。あ、さっき間接キスしてんな。はは。まっ、色々複雑なのさ」
 複雑。あぁ、彼女が怖いとかなのだろうか。って、言われてみればさっき飲みかけのお茶飲んでたな。そうか間接キス。
 ん?

 クー・フーリンが私と間接キス!? はっきりとしたワードに、急激に頬が熱くなる。心臓の響きが体中にドクンドクンと振動して変に意識をしてしまうではないか。

「ちょっと、洗面所へ行く・・・あんたは少し休憩してから出てくれ」
「えーケチ。あ、そういや名前なんてぇの?」
「エミヤだ」
 へぇ、エミヤね。良い名前だなぁとニコニコして言う彼に私はフンっとそっけなくして洗面所に向かった。

(あのクーが、クーが私の名前を呼んだ! あぁ録音してアラームに設定したいくらいだ。良い名前って言ってくれたの嬉しすぎる・・・っ、明日私は死んでしまうんじゃないのか)

 顔の熱とにやけをかき消すように冷たい水でバシャバシャと顔を洗う。気が閉まった気がした。ふぅと一息ついてから髪をおろし、眼鏡をかける。うむ、鏡で見てもクールに見えるな。

「なぁー、部屋入っていいか」と玄関付近にいるクー・フーリンの声が聞こえてきた。そこにいては寒いだろうなとふと思って、構わないと言ったところで私はハッとした。まずい、抱き枕出してるんだったああああああああああ!! 急いで洗面所から出て部屋まで走る。既に彼は部屋に入っていた。

「この抱き枕・・・」
「ほあちゃあああああああああああああああああ」
「!?」
 ベットにある抱き枕に向かって勢いよくドロップキックをかました。私の汚い足がクーの顔(抱き枕)に・・・なんてことをと思っている暇はない。

「はぁはぁ、これはなサンドバッグでな」
「ん・・・エミヤ、もしかして俺のアンチとか?」
ポカーンとしながら震えた声で言われ、慌てた。アンチだと!? んな訳あるまい。私は立派なクー・フーリンのファンだぞ。
「いや、アンチとかではない。この抱き枕は友人にいただいてな。弾力がすごくて、ちょうどいいんだ(ぎゅっとしたときのほどよい弾力がまるでクーみたいで)」
「へー、そうなのか」
 アンチではないことがわかるとあっさりとした表情になる。そしてお腹すいたとこちらをじぃっと見る。
「う・・・っ、軽く作ってやる・・・食べたら出るんだぞ。いいな」
「へーい」
 わかってるのか? と疑いたくなるほどの気のない返事にうむむとなりつつ、冷蔵庫を確認する。あぁこれはと、昨夜ジップロックにチーズとブランデーを入れて漬け込んでいたのをとりだす。ハムに巻いてフライパンで少し焼き目を入れ黒コショウを振って完成。これで一品できあがり。
 それからプチサイズの豆腐の上にスライスチーズをのせ1分ほどレンチンして、しょうゆとねぎをかける。あとはスティック野菜でいいかとトレイに全部乗せて彼が待つ部屋へと行く。


「うわ、早いな」
「軽く作ると言っただろう。ほれ、早く食べ、早く帰りたまえ」
「んー、いただきます」
 あぁ、クーが私が作ったものを食べている。というか生で食事してるところを見れるとは、幸せすぎる。
「エミヤ、おいしい。ありがとな」
「そうか」
 駄目だ、笑顔が素敵すぎる。またドキドキしてしまうではないか。
「・・・決めたわ」
「なんだ?」
「エミヤ、ここで暮らすわ」
「は? それだけはいかん」
「何、彼女いんの?」
「いるわけない」
 ちいさくよっしゃと聞こえたので、こいつ馬鹿にしてるなと心を鬼にしてさぁ帰るんだと腕を引っ張る。嫌だ、帰らねぇと抵抗される。困ったどうしよう。
「ただでとは言わねぇって。ちゃんと金出すし」
「そう言われても駄目だ。他の人当たれ、男前なんだからそのままくどいとけばいけるだろう」
「ほぉ、じゃあ。俺、エミヤ口説くから堕ちろ」
 まるで逃がさねえと言わんばかりに舌をレロっとする彼にあっけ取られて気づけば掴んでいた手をほどかれ私は押し倒されていた。

「いやいやいやいや、それは駄目だ。18禁展開は、めっ! だぞ」
「・・・ぷっ、くくくくくく」
 お前おもしれえなぁ、最高すぎるわと抱きつかれる。おもしろくもなんともない。憧れている俳優のクー・フーリンと同じ空間にいることさえ私は今にでも死にそうなのだ。それに加えて抱きつかれてるだと?! なにこの展開は。

「ううう、今日だけだ・・・今日だけだぞ。泊まっていけ」
「ふんふん、了解」
 鼻にまとわりつくクー・フーリンの香りにくらくらする。あぁそうだ、押入れに閉まってあるグッズをどうにか隠し通さねばと思いながら、襲い来る睡魔に静かに目を閉じた。



「すゥ、」
「ん、エミヤ寝ちゃったか。はは、寝顔かあいいな。ほんと俺の好みだわぁ」
 さて明日からどうしていこうかね、クーフーリンはギラギラとした目つきでエミヤを見つめた。

 

Comments

  • ディロン

    あけましておめでとうございます!続きが気になります!めちゃくちゃ面白いです(^○^) これからの展開が気になってしょうがないです!!

    January 1, 2018
  • まるまる

    続きがめちゃくちゃ気になります……!!楽しみに待っています(*´▽`*)

    December 13, 2017
  • そー
    December 2, 2017
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