遺品のカセットテープで父は娘の好きな曲を知った 上智大生殺害事件から27年 留学2日前の悲劇「時間止まったまま」

2023年9月5日 06時00分 有料会員限定記事
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 1996年に上智大4年の小林順子さん=当時(21)=が東京都葛飾区の自宅で殺害、放火された事件は、9日で発生から27年になる。父賢二さん(77)の元には、順子さんが留学先の米国で聴く予定だった22本の音楽カセットテープが残る。「不安なときや元気がなくなったときに聴こうと思っていたのかな」。賢二さんは在りし日の娘に思いを巡らせる。(鈴鹿雄大)
 事件は順子さんの渡米予定日の2日前に起きた。既に米国の学生寮に送っていたカセットテープは、事件の約2週間後に家族に返送された。現在は賢二さん夫妻の自宅で保管されている。

留学予定だった米国に順子さんが送っていたカセットテープ=東京都葛飾区で(小林賢二さん提供)

 中島みゆき、Mr.Children、尾崎豊…。順子さんが好きだったミュージシャンのヒットアルバムが並ぶ。台紙の背表紙に手書きされた歌手名やアルバム名は、略されることなく丁寧に記されている。賢二さんは「きっちりした子だったからね。少し細かいところは私に似たのかな」と顔をほころばせる。
 実は賢二さんは、遺品としてカセットテープが戻ってくるまで、順子さんが誰のどんな曲を好きなのか知らなかった。「年頃の娘との会話は少なく、私もあれこれ聞こうとしなかった」と振り返る。

生前の小林順子さんについて話す父賢二さん=東京都内で

 「将来ジャーナリストになるため、しっかり英語を勉強したい」。順子さんは家族や友人らに宣言し、留学を心待ちにしていた。事件の少し前、留学先に送る日用品を段ボール箱に詰めているとき、「お母さん手伝ってー」と甘えるように言っていたことを賢二さんは鮮明に覚えている。
 段ボール箱...

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