西武のドラフト1位・小島大河はなぜ「勝負強さ」をアピールポイントに挙げるのか
「打破」に合致したスタイル
「自分の勝負強さを見ていただきたい」 小島はライオンズファンに向けたメッセージを質問すると、こう答えてきた。 このコメントを聞いて、小島の「原点」を思い返した。2021年春、明豊高(大分)とのセンバツ甲子園決勝である。2対2で迎えた9回裏一死満塁。打席には背番号4を着けた「三番・捕手」の小島を迎えた。2ストライクから相手バッテリーがややウエストした外角高めのストレートを強振。小島は当時「皆がつないでくれたので絶対、決めてやろうと打席に立った。追い込まれたが、次のボールは絶対打ってやろうと思っていた」と明かしている。前進守備の相手遊撃手のグラブをはじき、外野へと抜けるサヨナラ打(3対2)となった。 東海大相模高は10年ぶり3度目の優勝を遂げた。遊撃手で主将の大塚瑠晏(東海大-日本ハム3位)が急性胃腸炎のため、準々決勝以降3試合を欠場。チームの大黒柱を欠く中で、大会直前にチーム事情で二塁手から捕手にコンバートされた小島が中心選手として、センバツ制覇に貢献したのだ。野球選手として、確固たる立場を確立する全国舞台となった。 春夏連覇を目指した21年夏だったが、新型コロナウイルスの集団感染のため、神奈川大会準々決勝を出場辞退。戦わずして、最後の夏を終えた。無念を糧に、明大での4年間で成長を遂げてきた精神力がある。それが、小島の言う「勝負強さ」につながってくる。 2026年シーズンのチームスローガンは「打破」。就任2年目の西口文也監督は「一人ひとりが個々の能力を高め、自分の限界を打ち破ってほしいという想いを込めました。特に野手には、打撃力の向上に努め、守り勝つ野球を継続しつつも、打撃で打ち勝てる試合を一つでも多く繰り広げてほしい」とコメント。指揮官が求めるピースに合致するのが小島と言える。19年以来のリーグV奪還を狙う西武の空気を変える新戦力から目が離せない。 取材・文=岡本朋祐
週刊ベースボール