治安悪化はウソ!? 専門家が斬る、高市政権「現実無視」の外国人規制が地方を潰す日
規制強化は地方への「災害」だ
昨年9月の自民党総裁選所見発表から、外国人への規制強化に前のめりな発言を口にしてきた高市早苗首相。20日の所信表明演説でも、改めて「外国人の問題ある行為に毅然と対応する」と述べた。
生産年齢人口の減少が著しい今の日本に果たして、「現実を見ていない」ような外国人への規制強化策は必要だろうか。
「規制強化は必要ないでしょう。政府が設置した『外国人との秩序ある共生社会の実現のための有識者会議』が1月に外国人政策担当の小野田(紀美)大臣に手交した意見書で、政策形成の前に前提となる立法事実をしっかり調査し、実態を正確に把握するよう提言していますが、私もその通りだと考えます。
また有識者会議は、意見書の冒頭でこうも述べています。日本は国籍の別なく基本的人権を保障する『内外人平等の原則』を国際社会に宣言している国で、この戦後日本社会の基本原則を踏まえて進めていく必要があると。
我が国が国際社会に対して約束した原則を守ることと、政策形成に必要なエビデンスを積み上げること。この2つがなければいかなる規制であれ、正当性も有効性も担保されないと思います」
高市政権の外国人対策強化に、地方では「外国人は地域産業の担い手。国は現場を理解していない」など不満の声が上がっている。全国知事会も昨年11月に「多文化共生社会の実現を目指す共同宣言」で、国に対して「国民が冷静に議論できるよう、正確なデータに基づく積極的な情報発信を働きかけていく」と強調した。
「政府が打ち出した総合的対応策に対して、地方は、外国人との共生に向けた支援の重点化のほうに期待を寄せています。事実として確認が取れない問題に対処するために、国が受け入れの抑制につながるような政策を推し進めるというのは、地方にとって災害でしかありません。
私は地方で話をするときには、国をあてにせず自分たちで地域の生存戦略を考えていきましょうと伝えています。日本では毎年80~90万人ぐらい人口が減っているわけですから、国に期待していたら手遅れになる。悠長に構えている暇はないと思います」
AIやロボットは労働力不足を補う有力な手段の一つとされるが、是川さんは「AIなどで生産性を高めても、外国人材に頼らなければ日本が経済成長を続けることは難しい」と指摘する。
「昨年の7月に日本経済研究センターが公表した推計によると、日本でAIの実装がかなりハイペースで進んだとしても、外国人の受け入れを停止した場合、’30年代後半から経済は恒常的なマイナス成長に陥るという結果が出ています。
本来、現在のような産業社会において労働投入量は経済成長の決定打にはなりにくいはずですが、現在の日本の人口減少のペースは非常に急激で、経済に対するマイナスの影響は無視できません。よほど荒唐無稽なシナリオを想定しない限りは、生産性の向上だけでマイナス分を補うのは無理だと思います」