七草家の邸宅は、東京の一等地の土地をふんだんに使って建っている。
人生の大半を庶民として過ごした「風鳴詩」にとって、その豪邸は十師族の権威の象徴として映っていたし、他多くの魔法師にとってもそうだ。
武人や学者として影響力を持ちがちな魔法師の名門にあって、七草は早くから政治力を重視して立ち回ってきた一族だ。国会議員から軍の情報部に至るまで、都内のあらゆる場所で七草の影響力は根付いている。
だが、彼らは決して「文」の一族というだけではない。同族たる魔法師にとってその影響力は顕著だ。魔法力の多寡で序列を決めがちな魔法師コミュニティにおいて、七草は一度も十師族の座を降りたことがない。それは彼らの極めて高い魔法力に根付くものだ。もっとも、「魔法力」の基準選定には七草一族の意向がかなり大きく盛り込まれているのだが。
そんな大邸宅の書斎に、詩は呼び出されている。彼女の表向きの身分はPMC「ミッドポイント」所属の
つまり彼女は、工作員として七草家の命令を受ける立場にあった。
「呼び立ててすまない」
軍人らしく「休め」の姿勢で微動だにしない詩の前には、これまた高級そうな執務机を隔てて、色付き眼鏡の特徴的な男――七草家当主、七草弘一が腰かけている。
「戦闘データがあるそうだな」
弘一は一言で前段を終わらせると、さっそく本題に入る。本職が軍人である詩好みの態度であった。
「はい。こちらになります~」
いつもの間延びした口調で、懐からデータカードを取り出す。
中には、先の模擬戦――榊創一朗対千葉エリカと、司波達也対服部半蔵の試合映像が入っている。第一高校警備員の権限を悪用し、演習室内の監視カメラ映像を不正に焼き増ししたものだ。
「お前も見たんだろう。どう思う?」
それは非常に抽象的な問いかけだったが、監視対象である二人の戦闘力について聞いているのは詩にとって明白だったので、答えには困らなかった。
「――とんでもないですね。まず司波君の方ですけど、これ九重流ですね~、妹ちゃんからも言質取れてます。この動きからすると、体術だけなら九重和尚本人と大差ないレベルにあるんじゃないですかね~」
厳密に言うと九重流なんて流派は存在しないが、戦闘魔法師の世界で「九重八雲」という存在は有名だ。その教えを受けている人間はそれなりにおり、彼らは時に「九重流」とまとめて称されることがあった。
「使用している魔法については?」
「こんなん手品みたいなもんですよ、多分別の得意技を隠すためのダミーでしょうね~。ただ、わざわざそんなもんをCADに用意している辺り、普通の魔法は苦手っていう自己申告はたぶん本当と見ていいと思いますけどね」
分析結果を説明する詩の表情や声色には、まるで緊張感が感じられない。
ただ、彼女のそれは一種の仮面であると弘一は知っていたので特に指摘せず、代わりにひとつ質問をした。
「勝てるか?」
「ムリですね」
何の気負いもなく即答してのける詩だが、弘一はそれも咎めなかった。
「何故そう思う」
「体術の組み立て方、これは決め手となる魔法が1つあって、それありきで隙を作ったり埋めたりするための動きです。未確認情報だった"分解魔法"、実用化できてると思った方がいいですね。そうすると近接しか取り柄がない自分ではどうにもならないですね~」
「わかるのか」
「専門ですからね。もし本当に特筆すべき点が体術だけなら、そりゃ私でも簡単に殺せますけどね~。その程度の使い手なら警戒対象にならないでしょ?」
へら、と笑って答える詩だが、目は全く笑っていない。
魔法力において優秀である一方で、戦闘において突出した強みを持たない七草家にとって、詩のような特化人材は貴重だ。弘一もその発言には一定以上の信を置いている。
「んで、もう一人。榊主任ですけど、こっちはもっととんでもないですね~」
続けて、彼女の講評はもう一人の方へ移る。
「体術だけなら明らかに司波君以上、身体捌きと推定体重、筋肉量から見て強化人間ですね。千葉の娘から刀盗んじゃうのはちょっとあり得ないですよ」
「……結局のところ、二人ともとてつもない実力者だということしか分からないと」
弘一の物言いは皮肉たっぷりだったが、口調に苛立ちは籠っていない。この事態は、ある程度想定の範疇にあったようだ。
「というより……印象の話になりますが」
「構わない。言ってみたまえ」
弘一の許可を受けて、詩はさらに情報を開示する。
「あれくらいのレベルになると、私たちの尺度における強い弱いは誤差の範疇なんでしょう。つまり、私では正確な戦闘能力を測りきれません」
それは実質的な投了だった。その辺の会社員なら職務放棄を叱責されて終わりだが、詩は
「私も一度、訓練名目で榊主任と模擬戦をしましたが……ここに映ってる千葉エリカとほぼ同じ結果に終わってます」
その詩が、
その事実を前に、流石の弘一も多少目を見開いたのが色付きの眼鏡越しで詩にも分かった。弘一は片目が義眼だ。こういう表情をすると片方の目が上手く動かず分かりやすい。
「……具体的に教えてくれ」
「と言っても、入手できた情報はほとんどありませんね」
◆ ◆ ◆
「精が出ますねぇ」
その日、第一高校の演習室の一角で汗を流す創一朗を見かけて、詩は声を掛けた。
ここは決闘の他に主に対人戦用の魔法の練習にも用いる部屋で、生徒なら申請を出しておけば誰でも利用することができる。学生優先で空いている時限定ではあるが、創一朗ら職員・関係者にも利用が許されていた。
「仕事してると中々鍛える時間が取れませんからね」
話しながらも、壁面に次々投影される標的を銀色のCADで撃ち抜いていくペースは全く落ちない。
それは歴戦の練度に裏打ちされた技量――と恐れ入るのは簡単だ。詩の優れた感覚器は、そこに小さな違和感を感じ取った。
(声をかけられて反応速度が
「わ、凄い成績!」
思考を回しながらも、目の前のコミュニケーションは蔑ろにしない。実際、壁面に投影されたスコアボードには、平均発動速度300msを切る常軌を逸した記録が並んでいる。使っているのは典型的な圧縮空気弾のようだが、このスピードは脅威だ。
「高級CADで下駄履いてますから。シルバー様様ですよ」
見せびらかすように手元の拳銃型CADを掲げる創一朗。
実際、彼の持つシルバーホーンは非売品のハイエンドモデルであり、オーダーメイド品をM機関の技術者総出でフルチューンした最新技術の結晶である。国際的に定められている出力規格を当然のように無視している非合法品でもあり、今この瞬間、恐らく世界で一番性能の高いCADであった。
「にしても凄いですね~……」
圧縮した空気をぶつけるという結果が同じだからこそ、どういう過程でそれを実現するかは術者の個性が大きく出る。創一朗のそれは、加重系魔法で空気塊を圧縮してぶつけるという、系統こそ違えど偏倚解放に近い手順をとっていた。
常識的に考えてまどろっこしい手段を手癖で選んでしまうということは、それだけ得意分野が偏っていて、無意識に得意なやり方に寄せているということの証左だ。詩は事前情報通り、創一朗の適性が加重系に偏っているらしいことを確信する。
「あっそうだ、せっかくだから一緒に訓練しましょうよ~。榊主任の実力気になってたんですよね~」
そのことをおくびにも出さず、詩は模擬戦を持ちかける。
実を言うと詩は、エリカに榊のただならぬ実力を匂わせてけしかけようとしていた。
エリカは想定通りに踊った……というか、勝手に突っ込んでくれたのでそれは良かったのだが、両者の実力差については完全に想定外だった。ああも圧倒されてはデータも何もない。
近接戦闘能力で明確に超高校級……軍をひっくり返しても一部の特殊部隊や暗部にしか居ないレベルの実力だったエリカであのザマだとすると、生徒で創一朗とまともに戦えそうなのは司波達也と十文字克人くらい、司波深雪でギリギリだろうと言うのが詩の見立てだ。
司波兄妹は論外、克人にも創一朗と戦う理由がないし、唆して乗ってくれる性格でもない。やむなく、自ら実力を測ることにしたのである。
「最近多いなこういうの……」
「榊さん、ナンバーズでもエレメンツでも古式の大家出身でもないですよね?」
困った様子の創一朗に対し、詩は一つの持論を提示する。
「ええ、まあ」
「それで強い人って、魔法師のコミュニティだと全然いないんですよね~。それこそ外国人か、両親が魔法師じゃない第一世代くらいで」
これは事実だ。魔法力は遺伝によって継承されるものだし、突発的に現れる第一世代魔法師はどこかのタイミングで十師族なり百家なりに取り込まれる。成人するまでそのようなバックボーンを持たない強力な魔法師というのは、実のところ皆無と言ってよいほどに珍しかった。
「んで、魔法師ってのは序列を大事にする生き物なんですよね。魔法力の強いやつの言うことしか聞かない。軍でも魔法師が一か所の部隊に集められがちなのは、教育隊に突っ込んでも非魔法師の言うことを聞くようにならないからですよ」
創一朗にも心当たりがあるのか、バイザー越しに納得の表情が伝わってくる。
「でも、いちいちケンカして上下を決めてたらキリがない。そこで出て来るのが苗字のネームバリューなんですね~。魔法師が生まれてまだ100年、このへんも過去の体制を追いかけてる最中なんですよね」
いわゆる古式魔法師は、ほとんどの場合一族単位の運営を基本とする。そのため魔法師には、ムラよりも大きな社会の構築経験がなかった。
そして実のところ、現代魔法師が「社会」と呼べるものを構築し出したのは第三次世界大戦後、魔法師を兵器以外にしておく余裕が生まれてからだ。「文化」と呼べるものが醸成されるようになってから、まだ30年しか経っていない。
組織として、社会としての魔法師はまだまだ未熟もいいところ、序列決めが「性能」に準拠するのも無理からぬ部分があった。社会以前の魔法師たちは、常に軍と政府による性能試験に晒されて来たのだから。
「だから、ネームバリューの外にいる榊主任みたいな魔法師は、コミュニティに入るとまず序列を確かめられる。これでも、ケンカ売られなくなっただけマシになってるって話ですよ~」
魔法師の社会は、結局のところ魔法力ありきだ。それ自体がアイデンティティである以上、魔法力の多寡がそのままコミュニティ内の地位に直結することは当然と言えた。
「まぁでも、こないだのエリカちゃんの件もありますしね。榊主任の強さはすぐに伝わっていくでしょうね」
じゃあ別に模擬戦する必要はないのでは? というツッコミを創一朗が入れるより、詩が畳みかける方が早かった。
「そういう訳で、私にもひとつ分からせてくださいよ。元特殊部隊の魔法戦技ってやつを!」
言いながら、詩は大気圧を操作して強力な追い風を作り出す。
彼女は苗字の示す通り「風」のエレメンツだ。こと空気を操作することにかけて、詩の速度と繊細さを超える者はほぼいない。
だというのに、詩の眼前には創一朗の拳が迫っている。
「……ッ!?」
思考が回るより早く小さな下降気流が発生し、それに身を任せることで間一髪拳を回避。続く蹴りに詩の拳を合わせると、創一朗の脚が弾かれたように逸れ、バランスを崩す。ドロウレス*1によって発動した
詩の空気甲冑は特別製だ。性能が高い代わりに発動までおよそ3秒かかり、効果時間はおよそ180秒。発動状態の詩を倒せた者はマジック・アーツ界隈には居らず、ゆえに彼女は中高6年間無敗のチャンピオンで居続けられた。
「へぇ」
言うだけあるなあ、とでも言いたげに間合いを詰めてきている創一朗からは、好戦的というよりも安堵の気配が漂っている。
「ここまでやれるならある程度加減しなくてもよさそうだ」
言っている間にも、詩は新たな攻撃を準備していた。
元々、空気甲冑は圧縮空気を身にまとう技。気流の操作に適性の偏っている詩がこれを使うことで、様々な戦術を可能とする攻防一体の技術だ。
シンプルに防御壁として扱うことはもちろん、一部を指向性を持たせて解除することで移動に使ったり、纏っている空気塊の屈折率を操作して不可視化したり、相手に暴風を浴びせて牽制したり――暗器を持っていることを隠したり。
そうして圧縮空気を解放しては張り直し、どんどんスピードを上げていく。
だが詩が再び突っ込む瞬間、創一朗の圧力が急激に膨れ上がった!
「…………へ?」
一瞬のうちに纏っていた風は全てはぎ取られ、ちょっとした強風を伴って詩は地面に放り出される。
「ひぎゅっ」
思いがけず地面に叩きつけられ、素っ頓狂な声が口から漏れる。
それが領域干渉による魔法発動の禁止と、
◆ ◆ ◆
「という次第ですね」
いやあ強かったですねぇ、と思い出に浸る詩の目には、それまでにない熱が籠っている。
依存癖のある「エレメンツ」にあって、特定の人間ではなく「強さ」に執着することで比較的クセの少ない性格を実現していた詩だったが、それゆえ彼女の性質はエリカと似ている。
無論、年齢の分だけ経験を積んできた詩はエリカほど露骨な反応は示さず、任務と私情を分けて考える程度の理性が残っている。だがその様子は、「任務抜きで向こうが押して来たら簡単に落ちるだろうな」と弘一のこめかみに鈍い痛みを与える程度の分かりやすさを持ってもいた。
「……お前も魔法師か」
強い魔法師には逆らえない、この場合はそれが悪い方向に働いている。そのことを弘一は指摘したが、口に出してから言っても詮無いなと思い直した。
「しかし、領域干渉も術式解体も予測できる手札ではないかな?」
弘一の詰めは、「詩が手を抜きすぎたのでは」という方向に向かった。
「証拠がないので証明はできませんけどね~、間違いなく本気でしたよ」
あの局面で手を抜くほどバカじゃない、という抗議を受けて、弘一は嘘はついていなさそうだと判断する。
「では、正面から力ずくで封じられたと?」
「信じがたいですけどね~。空気と気流の操作に限っては、私の干渉力は十師族当主のそれに負けません」
わざわざ弘一が聞き返したのは、名倉に並ぶ七草の「実働要員」である詩の実力を良く知っているからこそ。導き出される結論がにわかに信じがたいからだった。
不完全な超能力者であれば、一分野で十師族の実力を超えて来ることはあるだろう。あるいは戦略級魔法の新規開発によって、それを持たない七草が水をあけられることもあるだろう。
「あの状況から推測すると……もし七草家に乗り込んでこられたら、屋敷全体に領域干渉張られて完封されますね」
だが、七草はその実力の高さゆえに、素のスペックで自分を大幅に上回ってくる相手の存在を、直視できていなかった。
◆ ◆ ◆
報告を終え、詩は自家用車に乗り込む。
有力な工作員ではあるが迎えを出してもらえる身分でもない彼女は、自前の軽自動車で通勤していた。
ここから彼女の自宅まで、車で20分もかからない。いつもの調子で、彼女は車を発進させた。
丸っこいフォルムと赤色の塗装、車内にやたら沢山ぶら下がっているふわふわしたグッズの数々は自身の趣味によるものだったが、グッズの位置を記憶しておくことで車内に工作を仕掛けられるのを探知する鳴子の役割もある。
「夜分に済まないね、少しいいかな」
そこに全く違和感を感じなかった時点で、詩は後部座席に座る何者かが自分の手に負える存在ではないことを把握できた。ある意味では、鳴子は役割を果たせたと言えるだろう。
「何でしょう?」
詩の運転に乱れはない。顔や声にも一切の動揺は表れていない。
だが、車内は鉄火場さながらの緊張に包まれていた。
ちらりとバックミラーを覗くと、そこにはワイシャツとハンチング帽姿の50代くらいの男性が座っている。膝の上には大きなアタッシュケースを抱えており、昔の新聞記者のような印象だった。
「まあ、長居してもよくないし手短にいこう。今後、君の任務は凍結される」
男は、まるで友達に伝言を頼まれたような気負いのなさでそう宣言した。
「……それは、どこからの指示ですか?」
詩は運転を続けながら、男に問いかける。
答えが返ってくるとは思っていなかったが、その予想は裏切られた。
「国防軍情報部、
恐らく、それ自体は嘘ではない。だが不可解だった。
情報部は各セクションごとに全く別組織と言えるほど独立性が高く、右手のやっていることを左手が知らない状態に陥っている。それぞれの課は別々の後援者によって私兵としてこき使われ、統括役たる部長のポストは半ば閑職だ。形式上では上司でも、直接何か命令を下せる権限はほぼない。
「当たり前の話だが、軍の組織は軍の命令系統に従って動くべきだ。そのあたり、ついにメスが入る日が来たようだよ。僕から言えるのはそのくらいかな」
恐らくこの人物は、自分たちとは別セクションのエージェントだろう。
自分の知らないところで大規模な粛清か、あるいは権力闘争が起こっている。そのことは詩にも理解できた。
「私はどうすれば?」
「難しいことはない。ただサボってたことや不適切なことを悔い改めて、真面目に仕事をすればいいんだ。そのための指示は遠からず来るはずだよ。今日が最後のチャンスだ」
警告はしたからね、と言い残し、後部座席に座っていた何者かは突如として消え去った。
「…………」
詩はひとしきり逡巡した後、携帯から弘一の連絡先を消去した。
「それでいい」
何もないはずの後部座席からはっきりそう聞こえて、今度こそ詩は勢いよく振り返る。
そこには普段通り、ファンシーな小物が並んでいるだけだった。
◆ ◆ ◆
「ふぅ、何とかなったね」
同時刻、自前の古式魔法でこっそり車から降りた山田は、大きなブリーフケースを大事に抱えながら歩道を歩いていた。
「情報部もいい加減、これに懲りて再編されるといいんだけど」
現在の国防軍情報部は、利権や政治的利用に絡め取られて酷い不統一を抱え込んでいる。
そもそも創一朗の派遣は国防軍上層部の決定で、そこには情報部首都方面防諜隊(十山つかさの所属先)の決定が含まれる。
それを監視するために防諜第三課が出て来るというのは、情報部が一枚岩ではありませんと国内外に触れ回っているようなもの。
それが役に立つならともかく、軍内が細分化された挙句統制できていない状態を許す獅童ではない。ちょうど相手方が敵対関係の七草関係だったこともあり、この機に大規模な綱紀粛正が行われようとしていた。
「ま、これが役に立たなかっただけよかったかな」
山田の抱えているアタッシュケースには、軍用の高性能爆薬が満載されていた。
七草家の大きな駒である防諜第三課、その筆頭戦力である風鳴詩が交渉で止まってくれればよし、そうでなければ今頃、車一台が爆発する事故により不幸な死者が発生し、もって七草家にキツめの警告が与えられるところだった。
もちろん、アタッシュケースの山田側には防護用の装甲板が入ってるものの、側面や底面からなら主力戦車に穴をあける威力の爆発を至近距離で防ぐにはまったく不足している。
――十山の遠隔防御はこのように使うのだ。
「さて、あと3件。キリキリ行きますか」
今回のターゲットは防諜第三課全体。「課」というセクションの割にかなり人数が多いそこを攻略するため、さっそく山田は隠形を再発動し、夜の闇へと溶けていった。
7:20 一部表現を加筆修正。
ヒュリコフ系女子、風鳴詩