運命のドラフト会議が10月24日に行われる。今年の1位候補には明大・宗山塁内野手(4年)、関大・金丸夢斗投手(4年)らの名前が挙がり、慶大・清原正吾内野手(4年)にも注目が集まる。数々のドラマを生んできた同会議だが、過去の名場面を「ドラフト回顧録」と題し、当時のドラフト翌日付の紙面から振り返る。

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<95年11月23日付、日刊スポーツ紙面掲載>

22日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで行われたドラフト会議で近鉄が1位指名したPL学園・福留孝介内野手(18)は、同夕に近鉄佐々木監督らのあいさつを受けた後、日本生命入社の意思を表明、近鉄入り拒否の姿勢を明らかにした。同選手は巨人、中日の指名以外は日本生命入りを打ち出しており、「自分自身の気持ちを変えるつもりはない」と、プロ拒否をあらためて強調した。翻意に全力を挙げる近鉄は今週末、2度目の交渉を行う。

福留の固い意志はドラフト後にも崩れることはなかった。意中球団とは違う近鉄が交渉権を獲得したことで、既に決めていた通りプロ入りを拒否、社会人・日本生命入りを選択する。

「自分自身の気持ちを変えるつもりはない。それを通していけそうです」。この日午後6時、さっそく近鉄佐々木監督、筑間球団社長ら3人が東京のドラフト会場から指名あいさつに駆けつけた。席上、福留は同監督から選択確定の当たりくじを見せられ、帰り際には握手を交わすなど和やかなムードだった。

しかし、このシーンは近鉄側の熱烈ラブコールに礼を返すための「大人の対応」、精いっぱいの配慮だった。「今は上(プロ)へ行きたい気持ちが強い。すぐに東京から飛んできてくれた誠意は感じます」。近鉄側の熱烈ラブコールにこう答えたものの、意中球団以外からの指名の場合は内定している日本生命に進むと既に決めている。「自分の意志は曲げないでいきたい」。その決心に変わりはなかった。福留は「その意志とは、希望球団以外なら社会人に進むということか?」との報道陣の質問に、「そうです」とはっきりとうなずいた。

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