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MBTI診断が「現代の魔女狩り」になっていないか?──INFPへの過激なレッテル貼りの裏側

MBTI診断を受けてみた結果、私のタイプは「INFP(仲介者)」だった。

しかし、その結果を手にSNSの海へ漕ぎ出した私を待っていたのは、目を疑うような光景だった。そこには、特定のパーソナリティを「社会不適合者」と蔑み、執拗に叩く過激なレッテル貼りの世界が広がっていたのだ。

正直に言えば、SNS上で指摘されている欠点について、自分自身に思い当たる節がないわけではない。だが、たった16分の1の型に当てはまらなかった(あるいは、型にはまった)というだけで、これほどまで人を悪様に貶められるものなのか。その浅ましさには、怒りを通り越して、もはや呆れすら感じてしまった。

なぜ、MBTI診断は人をこれほどまでに「悪鬼羅刹」へと変えてしまうのか。その原因は、個人の人格の問題だけではない。私たちは、プラットフォームの仕組みによって、無意識のうちに変容「させられている」のではないだろうか。


1. アルゴリズムが加速させる「レッテル貼り」の娯楽化
人間には、血液型や星座のように、自分や他者をカテゴリーに分けて安心したり、排斥したりする潜在的な習性がある。この「レッテル貼り」への欲求が、現代のSNSアルゴリズムと最悪の相性を見せている。

SNSのアルゴリズムは、利用者の関心が強いもの、話題性の高いものを優先的に表示する。

個人レベル: 一度MBTIについて検索・発言すれば、タイムラインはその情報で埋め尽くされる。
集団レベル: 攻撃的で極端な言説ほど「反応(エンゲージメント)」を稼ぎやすく、アルゴリズムによって情報の「箔」が付与され、拡散されていく。

結果として、INFPに代表される「現代社会において不器用とされるタイプ」をスケープゴートにした情報が氾濫し、それが「総意」であるかのような錯覚を生み出しているのだ。


2. 「正義の魔女狩り」という加害者思考
かつての魔女狩りがそうであったように、人間は「自分は正義の側にいる」と確信したとき、ブレーキが壊れたように攻撃的になる。

客観的に見れば、どのパーソナリティにも一長一短があるのは明白だ。しかし、効率や生産性が重視される現代社会において、不利とされる特徴を持つ人々を「叩いてもいい存在」として認定した瞬間、攻撃は「正当な批判」へとすり替わる。

「攻撃している自分こそが正しく、攻撃される側に非がある」という典型的な加害者思考。そこには、個人の多様性を認める余裕など微塵も存在しない。


3. 私たちは、弱点を突く声よりも「長所」を信じていい
ここで、私と同じ「INFP」と診断された方、あるいは特定のレッテルに苦しんでいる方へ伝えたいことがある。

確かに、私たちは社会の荒波に対して不器用かもしれない。しかし同時に、INFPには「共感性」や「感受性の高さ」という類まれなる長所がある。

私自身、その性質があったからこそ、今回のように社会全体の問題を俯瞰し、このコラムを書き上げるに至ったのだと自負している。

MBTIの16タイプには、それぞれ必ず一長一短がある。

SNSで叫ばれている短所など、実はそれほど大したものではない。むしろ、あなたが持つ長所は、あなたが思っているよりもずっと周囲に良い影響を与えているはずだ。過激な言葉に心を削られる必要はない。


4. 「自分の考え」は本当に「自分」のものか
こうした現状を「道徳心の欠如した個人の問題」と片付けるのは簡単だ。しかし、その背景にはプラットフォームの構造、集団心理、そして社会全体の不寛容さが複雑に絡み合っている。

私たちが今、画面越しに抱いている怒りや蔑みは、果たして本当に自分自身の内側から湧き出た感情だろうか。

「自身の考えは自分自身のものではないかもしれない」と一度立ち止まり、疑ってみること。

その自覚を持つことが、現代の過激な風潮に歯止めをかける唯一の手段ではないか。この小さな自省が、個人から集団、そして社会へと波及していくことを願ってやまない。

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