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VポイントPayで思わぬ「残高失効」が話題に 三井住友カードが対応を検討へ

ITジャーナリスト
「VポイントPay」のバーチャルカード(筆者撮影)

3月1日ごろから、「VポイントPay」の残高が失効したという報告がSNSで相次ぎ、話題になっています。

その背景には有効期限にまつわる分かりにくいルールがあったようです。騒動を受け、運営元の三井住友カードは対応を検討する事態になっています。

思わぬ残高失効が相次ぐ 三井住友カードは対応を検討へ

VポイントPayは、Vポイントなどを残高にチャージすることでスマホのタッチ決済で使える仕組みです。

銀行やクレジットカードからのチャージにも対応しており、Vポイント経済圏のプリペイドカードであると同時に、三井住友銀行の「Olive」とも連携しています。

しかし3月1日には、その残高が「退蔵益出金」という名目で全額消失したとの報告が相次ぎました。数万円分の残高を失った人もいるようです。

三井住友カードによれば、残高が失効した理由は有効期限の満了によるものとのこと。ポイントなどが有効期限切れで失効するのは珍しい事態ではないものの、そのルールの分かりにくさが注目されています。

まず、VポイントPayには5年間の有効期限が設定されています。今回対象になったのはアプリがリリースされた直後の2021年2月に登録した人で、2026年2月末に有効期限を迎えた形になります。

この有効期限は一定の条件を満たすことでさらに5年延長されます。その条件とは、「有効期限の1年前から前月25日までに利用またはチャージをする」というものです。

2024年1月が有効期限の場合、2023年2月から2023年12月25日まで間に利用またはチャージをする必要があるという(三井住友カードのWebサイトより)
2024年1月が有効期限の場合、2023年2月から2023年12月25日まで間に利用またはチャージをする必要があるという(三井住友カードのWebサイトより)

今回のケースにあてはめると、2026年2月が有効期限の場合、2025年3月から「2026年1月25日」までの間に利用やチャージをしておく必要があったと読み取れます。

特に2月は「Visa割」や「東京ポイント」のキャンペーンが始まったことで、久しぶりにVポイントPayを使った人も多いようです。しかし先に挙げた条件を満たしておらず、「2月にチャージした残高が2月末に失効する」といった悲劇が生まれたと考えられます。

なお、有効期限更新の条件として「本人確認またはOliveフレキシブルペイへの紐づけが完了していること」と書いているページもありますが、この条件は直近のシステム改修によって撤廃されており、Webサイト側を修正する予定とのことです。

有効期限満了に伴って失効した残高はどうなるのでしょうか。VポイントPayに適用されるとみられる三井住友プリペイド購入規約には、「払い戻しはしない」と書かれています。

三井住友カードに確認したところ、「原則、商品性上規約にも記載がある通り残高は失効となります」(広報)としつつも、「プッシュ通知オフ等、アプリ通知の設定次第では、弊社からのご案内を確認いただいていないお客さまがいらっしゃったことも事実であり、現在、対応を検討中です」(同)との回答でした。

有効期限更新のルール自体も見直しか

実は筆者もVポイントPayを2021年2月に登録しており、今回の事例に当てはまるのですが、年末年始に何度か利用したこともあり、有効期限が更新されていました。

アプリを確認したところ、2025年12月27日に有効期限についての案内が、また2026年1月26日には有効期限が更新されたとの通知が来ていました。筆者はこの通知を見ていなかったので、たまたま条件を満たして回避した形になりました。

VポイントPayアプリに届いていた通知。筆者も見逃していた(アプリ画面より、筆者作成)
VポイントPayアプリに届いていた通知。筆者も見逃していた(アプリ画面より、筆者作成)

直前の利用やチャージで有効期限が更新されないというのは、さすがに落とし穴のように思えるところです。この点については三井住友カード側も「(有効期限更新のルールについて)商品性を改めるべく調整を進める方針です」(広報)とのことから、問題を認識している印象を受けます。

春からの新生活に向けて、「Olive」やキャンペーンをきっかけにVポイントPayを使い始める人が増えると期待されるだけに、誰もが直感的に分かるようなルールが望ましいといえそうです。

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ありがとうございます。
ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、2012年にフリーランスのITジャーナリストとして独立。日経クロステック(xTECH)やASCII.jp、ITmedia、マイナビニュースなどの媒体に寄稿し、2021年からは「Yahoo!ニュース エキスパート」として活動しています。

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