【陰山泰さん】 メッセージ
青春アドベンチャー『猟犬探偵』に出演させて頂いた陰山泰です。
メインのお二人、津田寛治さんと高島礼子さんの会話が素晴らしく、
この、大人の空気満載のハードボイルドな作品にとてもマッチしていて、収録は楽しかったです。
私は、全てのエピソードに、それぞれ違う役で出ていますが、キャラクターが全く違う役でしたので、それぞれの役の個性を表現しなければなりませんでした。
ディレクターの吉田さんのこの作品への想いの熱量に背中を押してもらい、リハーサルが進行する中で色々アイデアを出したりして、役を演じ分けられたと思います。
関西、特に神戸が舞台の作品なので、神戸出身の私は、関西弁など交えながら、楽しく演じさせていただきました。
どうぞお楽しみください。
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演出の吉田です。
『猟犬探偵』の原作者・稲見一良(いつら)さんは、大阪府のご出身。
主人公の竜門卓(りゅうもんたく)は大阪府北部・能勢町に住んでいる設定ですが、竜門以下、登場人物たちの多くが関西人でありながら、原作では、ほとんど関西ことばを話しません。
おそらく、稲見さんが思い描いた小説世界は、レイモンド・チャンドラーを始めとするハードボイルドの翻訳文学で、そこには関西ことばの要素があまりなかったのかもしれません。
その小説世界をある意味、忠実に再現するために、陰山さんにお願いした……たとえば第1回の浜田(竜門に失踪したポインターの捜索を依頼する)という役は、小説と同じく、関西ことばを話す予定はありませんでした。
しかし、収録当日、陰山さんから、関西ことばで話してみましょうかとご提案をいただき、本番前のリハーサルで拝聴すると、陰山さんの関西ことばは、何とも典雅で、美しいものでした。
陰山さんのセリフはどこか、音楽に近い。
また、第2回、第3回で登場するリチャードという役柄は、アメリカ帰りの盲導犬の訓練士でした。
日系人らしいアクセントをセリフのどこにおくか試しながら、収録していくうちに、リチャードという人物を立ち上げていく作業は、知的な陰山さんと、ならではの、楽しいものでした。
第4回の浜幸という千葉のトラックドライバーは、正義のため、であれば力の行使もためらわないキャラクター。
かつて青春アドベンチャー『鷲は舞い降りた』(2020年)で演じていただいたドイツ軍スパイ、リーアム・デヴリンを彷彿(ほうふつ)とさせました。
さまざまな役柄を知的に演じ分け、原作世界を豊かにする……陰山さんのお芝居、どうぞお楽しみに!
『猟犬探偵』(全5回)
強くなければ生きていけない優しくなければ生きていく資格がない
【 NHK FM 】
2026年3月2日 ( 月 )~ 6日 ( 金 )午後9時30分~午後9時45分 (1-5回 )
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【出演者】
津田寛治 高島礼子 高橋長英 陰山泰
小山剛志 古河耕史 蔵下穂波 松川美奈
タナカサキコ 太田梨香子 野地祐翔
【原作】 稲見一良(いなみいつら)
【脚色】 大河内聡
【音楽】 和田貴史
【関西ことば指導】
タナカサキコ
【スタッフ】
制作統括:桑野智宏
技術:浜川健治
音響効果:菅野秀典
演出:吉田浩樹
【あらすじ】
竜門卓(津田寛治)は、行方不明の猟犬を探すことを生業とする「猟犬探偵」
人間にとって、犬はかけがえのない相棒
生死をともにする猟犬であれば、なおさらだ
そんなある日、金桂花(高島礼子)から
知り合いの娘が飼っていた
失踪した盲導犬を捜して欲しいとの依頼が舞い込む
目の不自由な少女にとって、唯一の心の支えだった犬……
その行方を探す竜門の前に、意外な犯人像が浮かび上がる
競走馬の育成ファームからは
忽然と姿を消した老厩務員・田畑(高橋長英)が連れ出したシェパード犬
そして、かつての名馬シルバーゴーストの捜索を頼まれる……
がんと10年闘い、入退院を19回繰り返した小説家・稲見一良の
生きることへの清冽な思いが全編にみなぎる
※この記事は放送後1週間までの期間限定公開です。