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英霊エミヤと人食い鬼/Novel by 高嶺

英霊エミヤと人食い鬼

30,734 character(s)1 hr 1 min

何が書きたかったのか…おそらく書き始めた時は結末を考えていたのですが、創作期間が長期に渡ってしまったため、オチが迷子になってしまいました。もう少しゆっくりサスペンスホラーモノにする予定だったし、伏線も貼ってたような気がするのですが…誰得なのかよくわからない代物になってしまいました。無駄に長いです。これだけ長ければおそらくもっといいものが出来上がる筈なのですが…いつも通りクオリティ低いです。確か書き始めた頃は、小さい頃に好きだった絵本を思い出しながら書いてました。ある料理上手の女の子が人食い鬼の胃袋を掴む…という物語でした。本編も大体そんな感じです。本当はどちらが人食い鬼だったのか…みたいなオチにしたかったなぁ。誤字脱字、おそらく酷いです。読みづらかったら申し訳ございません。

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「今日22時にあがりでしょ?どう、一緒に食事でも行かない?」

女からの誘いに一瞬躊躇い、頷いた。
「いいぜ」短く返事をして、含みのある笑みを浮かべた女を見る。
女の横には大きな鍋。ぐつぐつと豆乳スープが煮込まれ湯気を上げている。

洒落た居酒屋でバイトを始めた経緯は言わずもがな…前のバイトが続かなかった所為でもあるが、お目当ては目の前の女だった。
美人が働いているというだけで、好条件だ。
それが、いざ働いてみるとわざとではないかと疑うほどバイトの時間帯が女と被らない。
この居酒屋でバイトを始めて、今日やっと時間帯がかち合った。

美人からの誘いにイマイチ気分が乗らないのは、先程からメシを見飽きているからか…
なんにせよ、こちらから誘おうと思っていたのに先手を取られたとあらば、場所を決めるのは俺の役目だ。
遅くまで開いていて、且つ美味い店をここらで探さなければならない。おそらく女のレベルから見るにここで失敗すれば次はなさそうだ。

女と俺の間にある作業台の上には絞めの雑炊が並べられていた。
特にそれ以上の会話はせず、俺はそれを手にキッチンから表へ出た。コースメニューの最後の一品を角に座る客に提供し、今日の勤務は終わった。
キッチンに戻りエプロンを脱いで、居酒屋の主人が手作りしたタイムカードに退勤時間を記入する。
丁度女も下ごしらえの豆乳スープに入れる具を準備し終えたのか、エプロンを脱いだ。

「それ、いいのか?そのままで」

「ええ、着替える場所もないし。何かご不満?」

女は高い位置で括った長い髪を揺らしながら、首を傾げた。その仕草は今迄数多くの男を虜にしたに違いない。
だが残念なことに、俺は豆乳スープの具のことを言った。それを女は服装のことを聞かれたと勘違いしたようだ。
外見通り、自尊心の高そうな女だが…色事の駆け引きに穴がある。意外と取り繕っている可能性が出て来た。
この手の女は簡単だ。ただ、後々面倒なことになりそうだ。
仮にも居候の身であるのならばトラブルは避けた方がいい。とりわけあの弓兵が相手なら尚更…


テント暮らしだった俺に、その話が転がり込んできたのは聖杯戦争が原因不明の停戦状態に入ってから二月ほど経った時だった。
所要でロンドンへ飛んでいた遠坂凛が帰還し、弓兵は仮であった冬木の監視役から解放された。しかし、ロンドンから帰って来た彼女はすこぶる機嫌が悪かった。
詳しい事情は知らないが弓兵が遠坂の所有物である新都のアパートに拠点を移したのは彼女が帰ってきてから割とすぐだったように思う。

『私の従者に協力してくれないかしら?もちろんタダでとは言わないわ』

何故彼女が俺を選んだのか。否、自身でもフラフラしている自覚はあった。主従関係を感づかれるなというマスター命令も原因ではあるが、アルバイトで生計を立てテントで気ままに暮らしているのは俺ぐらいなものだった。
聞けば、最近新都で女性の行方不明事件が続いているらしい。聖杯戦争を再開させようと奮闘中の嬢ちゃんでは手が回らない案件らしく、弓兵に原因の究明を命令した。
そこで俺に提示された条件は、タダ飯タダ宿の代わりに弓兵に協力しろというものだった。テント暮らしで満足していた俺は最初、その話を断った。
しかし、赤い弓兵のマスターは破格の条件で食い下がって来たのだ。

『頼み方を変えるわ。貴方は基本的に何をしてもいいし、しなくてもいいわ。ただ、アイツが無茶をしようとしたら止めて欲しいの』

あの気位の高い少女が頭を下げるのがあの弓兵の為というのは気に入らなかったが、そんな風に頼まれては断り辛い。
冬木の管理人に恩を売っておくのも悪くはないと、半ば流されるような形で承諾した。結果、俺は好きにしている。弓兵も何か言いたげではあるが、文句の一つも言いはしなかった。
弓兵と供に拠点にしているアパートに帰ったり帰らなかったり、今日みたいに誘われれば乗り、何もなければ帰って温かい飯と風呂と寝床にありつくのだ。
奴が無茶をすれば止める。基本的に行方不明者の調査とやらに協力してやる気はなかった。

気にくわない相手と同じ空間で過ごすこともそうだが、ソイツの作る飯だけでは働きに見合わないと判断をつけたからだ。
これがどっかの別嬪なら、話は別だが。この依頼を受けたのは、他でもない、あの少女の頼みだったからである。

「腹は空いてるか?この近辺なら美味い店を知っているんだが…」

「それほど空いているってわけでもないけれど…ちょっとつまめるようなものはある?」

「あると思うが…言っておくが居酒屋だぞ?」

「あら、居酒屋なの?」

「それ以外でこの時間に空いてる店を知ってるなら紹介して欲しいぐらいだぜ」

少しだけ、面倒になってきた。外見以外あまり好みとはいえない女と、居酒屋で時間を潰す事になりかねない。
ちょっとプライドをつつけば簡単にオイシイ思いができそうだが、それまでのガードは堅そうだ。加えて、楽しめるかと聞かれればそうでもない気がする。
帰ればタダで居酒屋より美味い飯が食えると思うと、なんだか気が進まなくなってきた。鼻を鳴らして考えあぐねていると、柔らかい感触と共に腕が引っ張られた。

「居酒屋でいいわ。ね、早く行きましょ」

割と、女の方が積極的だった。こちらの態度を察して慌てた様子が垣間見えるあたり、やはり簡単そうだ。
胸元がぱっくり空いたTシャツから除く控えめな乳を眺めながら、俺は女の腰に手を回して、夜の街へ歩き出した。


Comments

  • わんわんお
    May 15, 2025
  • あい
    April 23, 2022
  • M.Y.

    グールの最後ちょっと切なかった…

    July 15, 2020
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