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互いに嫌いと勘違いしていたお話 アーチャーさんの悪夢/Novel by みなも

互いに嫌いと勘違いしていたお話 アーチャーさんの悪夢

2,531 character(s)5 mins

覚えてくださっている方はいらっしゃるのか…やはりハッピーエンドは遠いようです…

ご都合主義で凛ちゃんのうっかり発動したよ!
注意書きは前のものを参照してください。

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「アーチャー、本当にごめんなさい…」
魔力の暴走の結果なのだろう。ぐらつく頭を押さえながら片手で応える。
「気にするな。一時的なものなのだろう?すぐ良くなる。しかし今日はもう休んでもいいかね」
ええもちろん、と言いながら寝室へ促される。
まさかこんなことになるとは。火照った身体は熱いはずなのに、悪寒が止まらない。
サーヴァントになってまで、風邪を経験するなんて。
まぁ、こちらとしては好都合だった。最近はどうしようもないことにばかり心が奪われていた。ちょうどいい機会だ、ぐっすり眠って忘れてしまおう。
大人しく布団に入ると、頭に伝わる冷たい感覚と襲ってくる眠気。それに抗わず素直に身を委ねた。


『…!……』
何処かから聞きなれた声が聞こえてくる。
ふと目を開くと、衛宮邸にいた。おかしい、自分は今遠坂邸の寝室にいたはず。
しかも、なぜ廊下で布団を持っているんだ。
混乱する頭を無視してぺたぺたと足音とともに近づいてくる声にびくりと身体が跳ねる。
『…あいついんのかよ。めんどくせぇし苦手なんだよなー』
この声は。
ドクリ、と胸が嫌な音を立てる。小僧の声も聞こえてきて、確信した。
サーヴァントは夢を見ない。
つまり、これはー
『うげっ』
心底嫌そうな顔と目が合う。まさか、2回も見ることになるとは。
夢を見ない、許されざる想いを抱いた男が見たものは、紛れもない現実だった。


もう、何回目だろうか。
ズクズクと痛む胸を無視して叩きつけられる現実を見続ける。
苛立つ声とともに見せつけられる表情。そこには、隠すこともなく苛立ちが浮かんでいて。
逸らしたくなる衝動を抑えてただひたすら受け止めた。
こんなにも彼の気を悪くさせていたのか。
予想以上の多さに、思わず苦笑する。
暫くすると、白い空間にランサーと2人きりになった。
これで終わりか、とため息をついたその時。
『ちっ…もういい』
そう吐き捨てた顔に浮かんでいるものは、何もなくて。
まるで、昔心臓を穿たれた時のように、無関心な表情があった。
息が止まる。やだ、やめてくれ、それはもう、
『じゃあな』
背を向けて英雄が遠ざかっていく。
まって、お願いだ、嫌いでもいい、だから。
追いかけたいのに身体は硬直して動いてくれない。
どんどん見えなくなる色とともに、視界が暗くなっていった。


「…チャー。おい、アーチャー!」
ぼんやりした頭で意識が浮上する。
誰かが、呼んでいる?
閉じていた瞼を開くと。
「やっと起きたのかよ…。おら、氷枕変えるぞ、頭上げろ」
先ほど、消えたはずの青がそこにあって。
「らん、さー…?」
驚いて固まっていると頭を持ち上げられて下の枕を交換される。
ぬるかったそれが取り戻した冷たさが心地よかった。
「にしても、嬢ちゃんもまたすごいうっかりだよな…まさかこんなことになるとは」
これは、夢なのだろうか。
いや、サーヴァントは夢を見ない。しかし。
「おい、大丈夫かよ…」
ひた、と頬に白い手が添えられる。覗いてくる瞳には、苛立ちなんて感じられなくて。
寧ろ、心配しているようだった。
(そうか、これは願望か)
きっと凛のうっかりの影響で心の奥底の欲が見えているのだろう。じゃなければこんなことあるはずがない。
そうだ、これは己の妄想の世界。それならば。
重い腕を伸ばして離れそうな手をがしりと掴む。
うお、という声とともに驚いた表情がこちらを見た。
(これは幻想。目覚めたらすぐ消えてしまう、一瞬の泡末だ。だから、)
少しだけ、欲張りになってもいいだろう?
きゅうと握り締めるとすらりとした、しかし戦士の手であろう傷跡が幾つか感じられる。
目を合わせると唖然とした顔。それに向かって自分は微笑んでいられているだろうか。
ずっと言いたかった。この想いを伝える気持ちなんかない。伝わってほしいなんてことも思わない。ただ。
「 」
そのひとことだけでも、伝える権利が欲しかっただけなのだ。
赤い瞳が更に見開かれる。あぁ、君はやはり眩しいんだな、と場違いなことを思いながら遠のく意識に身を任せた。

Comments

  • 華玄
    June 17, 2018
  • そー
    November 2, 2017
  • ハスキー

    続きが見たいです!ハッピーエンドを期待しております!

    August 27, 2017
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