「デイリーヤマザキ」は復活できるのか 一時期は「ファミマ」より多かったのに、近年はあまり見かけなくなったワケ
山崎製パンが運営するコンビニチェーン「デイリーヤマザキ」の苦戦が続く。 個人経営の酒店や小売店の参入を促す形で店舗数を増やしてきたデイリーヤマザキだが、店舗数のピークは「サンエブリー」と「ヤマザキデイリーストアー」を合わせて2500店舗を達成した1990年代だ。当時はコンビニの店舗数が現在の半分に満たなかった時期であり、その後に各社が店舗数を拡大し続ける中、デイリーヤマザキの店舗数は減少し続けた。 【画像】特徴の一つである「デイリーホット」 直近で展開する店舗数は1251店舗となっており、ピーク時の半分まで減少している(2025年度末時点)。売上高こそ伸びているが赤字が続き、好調な全社の足を引っ張っている。
「自由度の高さ」が特徴のコンビニ
1970年代後半、山崎製パンは「ヤマザキデイリーストアー」と「サンエブリー」を通じてコンビニ事業に参入した。1970年代前半にセブン-イレブンとファミリーマートが1号店を出店しており、当時は個人商店によるコンビニへの業態転換が相次いでいた。山崎製パンの商品を販売する個人商店がコンビニに変わる事例もあり、卸売先を失うことに危機感を抱き、コンビニ業態に参入したとされる。 当初は自社のパンを中心にそろえ、他の製品には注力していなかった。しかし、調査を通じて店舗の清潔さ、さらに売れる商品をそろえることで売り上げが大きく向上するという初歩的な結論に至り、本部が支援する形でコンビニらしい店舗に変えていった。 本部と卸売先という関係性から始まったため、デイリーヤマザキは他のコンビニチェーンより自由度が大きい点が特徴だ。最近でこそ大手各社も消費期限の近い商品の値引きを認めるようになったが、デイリーヤマザキでは昔から加盟店の値引きを認めていた。さらに、24時間営業ではない店も多い。
「自由さ」が、成長の足かせに
しかし、その自由度の高さが成長にブレーキをかけた。 大手3社が日配食品の研究開発を続け、店舗レイアウトの最適化を進めた一方、パンに注力するデイリーヤマザキは他の部分で最適化が遅れたとされる。現在の店舗を見ると、他社のレイアウトが比較的固定されているのに対し、デイリーヤマザキは、店舗によって商品の場所や置き方に違いがみられる。日配食品やパン以外の加工食品に関しては、他社のようにPB(プライベートブランド)を拡充させていない。 2000年にパンを中心とする店内調理の「デイリーホット」を展開したが、大手3社に後れを取る状況は変化しなかった。日本人の米離れが進んで久しいが、当時は今以上に米系の商品が人気であり、パン強化の効果は限定的だったと考えられる。日販は他社より低いとみられ、オーナーの引退や撤退に加えてFC(フランチャイズ)の新規参入も少なく、事業規模を縮小した。 もっとも、当初の危機感に反して大手コンビニは山崎製パンの主要な販売先の一つになっており、本部もコンビニ事業の拡大には積極的ではなかった。