好きなことをしてもイライラが消えない 脳波が示す“不機嫌”の整え方
香りの力が不機嫌に効く
鼻と脳は近い場所にあるため、香りは脳に作用しやすいことがわかっています。アロマオイルやハンドクリームなどで、生活に香りをうまく取り入れましょう。 ●ネクタリンの香り...イライラを抑える ネクタリン(桃の一種)の香りを30秒嗅ぐと、「ストレス度」が嗅ぐ前よりも50%下がります。しかも、その後4時間に渡って効果が持続。不満が溜まっているときに効く、おすすめの香りです。 ●オレンジの香り...集中力がアップ オレンジの香りは「集中度」を高めるので、仕事中などに嗅ぐと◎。人が集中力を保てるのは長くて40分程度ですが、オレンジの香りには2~4時間ほど集中力をキープさせる効果があります。 ●懐かしい香り...リラックスする 昔使っていた香水など「懐かしい香り」を嗅ぐと、その頃の思い出がよみがえってくるはずです。過去を懐かしむ行為には副交感神経を活性化させる効果があり、感情を安定させます。 ●ゆずの香り...心を和ませる ゆずの香りを嗅いだ被験者は、「好き度」の脳波がアップ。脳は何かを好ましく感じたときに、ストレスを和らげるオキシトシンを分泌します。穏やかな気持ちになりたいときは、ゆずの香りを嗅ぎましょう。
周囲への「フキハラ」に要注意!
職場に不機嫌な人がいると、席が離れているのに自分までイライラしてしまうことはありませんか? それは不機嫌なときの脳波が、周りの人にも伝わるからです。その場に不機嫌な人がいるだけで、周りの人にも嫌な感情が伝播してしまいます。 自分の機嫌が悪いために周囲まで不機嫌にする「不機嫌ハラスメント」=「フキハラ」をしないように、以下のポイントを心がけましょう。 \落ち着くまで一人になる/ 不機嫌を自覚したら、できるだけ席を外し、運動をしたり泣いたりしてストレスを発散させてください。「ワーッ」と声を出すだけでも、コルチゾールは下がります。すぐに一人になることが難しい状況なら、右ページで紹介した香りを嗅いだり、深呼吸したりして、ネガティブな感情を手放しましょう。 \家庭に不機嫌を持ち帰らない/ 外出先では、ストレスの原因になるような出来事がつきものです。でも、家庭に不機嫌を持ち帰ると、家族への「フキハラ」になりかねません。帰宅するまでに、心を落ち着かせましょう。気になるお店に立ち寄ったり、一駅ぶん歩いたりするなど、可能な範囲で気分転換をしてから帰ることが大切です。 \「フキハラ」をしたら必ず謝る/ うっかり不機嫌をまき散らしてしまったときは、誠実に謝りましょう。「ごめんね」とひと言伝えるだけで、お互いの感情が和らぎます。「じつは辛いことがあって……」と状況を説明するのもよいでしょう。「不機嫌なのは自分のせいじゃないんだ」とわかることで、相手は安心できます。
【満倉靖恵(みつくら・やすえ)】 慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授、同大学医学部精神・神経科学教室兼担教授。脳波をはじめとした生体信号解析、脳波によるリアルタイム感情認識などの研究に従事。著書に『フキハラの正体』(ディスカヴァー携書)がある。
満倉靖恵(工学・医学博士)