好きなことをしてもイライラが消えない 脳波が示す“不機嫌”の整え方
不機嫌になるのは脳の仕組み上仕方ない部分もあると、工学・医学博士の満倉靖恵さんは話します。ネガティブな感情に振り回されたときに心を落ち着かせる、効果的な方法を紹介します。(取材・文:林 加愛) 【脳タイプ診断】コミュニケーションのストレスを軽減 ※本稿は、『PHPスペシャル』2026年3月号より内容を抜粋・編集したものです。
不機嫌のトリガーとは
どんな人でも、日常生活の中でムッとしたりイライラしたり、不機嫌になることはあるものです。そのきっかけは人によってさまざまですが、すべての人に共通する不機嫌のトリガーは、「望まない事態が起きること」です。たとえば、「物事が思い通りに進まない」「予測していなかったトラブルが起きた」などが挙げられます。 望まないことが起きてストレスを感じたとき、脳の視床下部が反応して、副腎からコルチゾールという分泌物が出ます。コルチゾールの別名は「ストレスホルモン」。分泌されると周りへの攻撃性が上がるだけでなく、自律神経の一つである交感神経が活性化し、外部からの刺激に心身が反応しやすくなります。すると、感情のコントロールが難しくなり、普段は気にならないような些細なことにもイライラしてしまうのです。 こうして生まれる不機嫌をコントロールするカギを握るのは、もう一つの自律神経である副交感神経です。副交感神経を効果的に活性化させれば、心身がリラックスして感情のコントロールがしやすくなります。
自分の機嫌は簡単にとれない
「すぐ不機嫌になる自分は性格が悪いのかも」と悩んでいる人がいるかもしれませんが、脳の仕組み上、不機嫌になるのは仕方がない部分もあります。 私は研究チームを組み、「感性アナライザ」というさまざまな感情をリアルタイムで可視化できる脳波測定装置を開発しました。この装置を使うと、たとえば被験者が不機嫌なときに脳波を測定した場合、「ストレス度」などの数値が高まっていることがわかります。また、あらゆるシーンでの測定結果から、不機嫌なときの感情は想像以上に扱いづらいことが判明したのです。 この企画では、不機嫌にまつわる実験結果を解説するとともに、副交感神経を活性化させてネガティブな感情を早めに手放し、心をリラックスさせるポイントをお伝えします。