救急車がほしい 「24時間365日断らない」病院が支援呼びかけ
容体が安定した救急患者を転院先の一般病院へ送り届ける。あるいはその逆で、一般病院で急変した患者を迎えに行く。病院と病院の間で患者を搬送する際に用いる「病院救急車」を購入したいと、クラウドファンディングで寄付を募っている病院がある。すでに第1目標の1200万円は達成し、次の目標として2千万円を掲げている。
この病院は、京都府久御山町にある京都岡本記念病院だ。「24時間365日、患者を断らない」をモットーとして、京都府宇治市周辺から府境を越えて大阪府枚方市もカバーしている。
京都岡本記念病院は、社会医療法人・岡本病院(財団)が運営。病床数は419床で、そのうち391床が救急患者の受け入れに使われている。年間の救急搬送件数は約7千件に上る。
宇治市で1979年に開院し、2016年に現在地へ移転してきた。移転当時から救急医療に力を入れ、いまでは周辺自治体の間で「岡本病院さんに断られたら、もう搬送先はない」と認識されるほど、地域医療の最後のとりでとして、頼りにされている存在だ。
病院救急車は、これまで3台を運用してきた。そのうち1台は、奈良県生駒市消防本部の「お古」を購入した。12年度から使い始めたが、老朽化。昨年1月に廃車とした。廃車時の走行距離は18万1787キロに達したといい、地球を4・5周以上した計算になる。いまはやむを得ず、2台を使い回しているという。
「大災害などが起きると、DMAT(災害派遣医療チーム)のメンバーとして、救急車ごと被災地に向かうこともあります」と副院長の清水義博さん(65)。医療チームはこれまで、救急車とともに熊本地震や大阪府北部地震の被災地に向かい、京都アニメーション放火殺人事件などにも対応してきた。
救急救命士科科長で日本DMAT隊員の備中俊貴さん(31)は「例えば、大動脈瘤(りゅう)破裂の患者さんなどは、搬送中の車体の揺れが、致命的な悪影響を与えうる」と指摘。「高規格車であればあるほど揺れが少なく、患者さんの命の安全につながります」と言う。
救急車は車体価格だけで2千万円ほどするが、心電図モニターなど、救命措置に必要不可欠な高度医療機器を搭載すればするほど高くなるという。災害派遣の場合は長距離移動も多く、隊員が疲れないようある程度の「居住性」を兼ね備えた救急車が理想で、最低でも3千万~4千万円の費用が必要になると見込む。
病院側は集まった寄付金に自己資金を足して購入する予定で、副院長の清水さんは「一日でも早く運用できるようにしたい」と協力を呼びかける。
インターネットによる支援はレディーフォーのサイト(https://readyfor.jp/projects/okamoto-hp2026)で、3月19日午後11時まで。現金による寄付も受け付けており、問い合わせは京都岡本記念病院(0774・48・5500)へ。