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iFLYTEK AINOTE2で手書きを情報の墓場にしない

iFLYTEK AINOTE2については、「書き心地」と「Androidタブレットとしての可能性」について、以下記事で書いてきた。今回はその続き。

これまでQUADERNO(Gen2)を愛用し、その圧倒的な軽さと紙に近い質感を高く評価してきた。一方で、Android OSを搭載したBooxやBigmeも試してきたが、どうしても解消できない不満があった。それは、手書きした内容の検索性の低さ

手書きノートは、書くこと自体が目的(モーニングノートや資格の勉強など)であれば素晴らしい。しかし、後で振り返る、あるいは情報を再利用するとなると、途端に情報の墓場になりがちだ。

今回、AINOTE2を使い込んでみて、その墓場がようやく情報源として機能する可能性を感じた。

保存と同時に行われる自動のOCRの良さ

これまでのE-inkタブレットにもOCR機能(手書き文字をデジダルの文字情報へ変換する機能)はあった。しかし、その多くはユーザーが明示的に「OCRボタン」を押す必要があった。あるいは、精度が低く、実用的とは言い難いものも多かった。

AINOTE2の最大の特徴は、ノートを保存すると同時にバックグラウンドで自動OCRが働くことだ。

  • 「テキスト化する」という意識を介在させずに、書いた内容が検索対象になる。

  • 手書きをした後、そのまま生成AI(AINOTE2にビルトインされている)へのインプットへ繋げられるスピードが格段に上がった。

これまで、AIに食わせるためのドラフト作りなどは、本当は手書きしたいのを我慢してキーボードを叩いていた。その障壁が、本機によってようやく取り払われた。

書いた後の検索性に絶望して、結局キーボードに戻った人もいるかも知れない。(マニアックな話なのでいないかもしれないけど)そういう人にとっては本機はある程度の答えを提示してくれる。

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手書きでノートを書いているだけなのだが、保存すると、一覧画面には自動OCRされた書き出しも表示されている。特にOCRしろと指示しなくても、自動でされていることで、意識せず、情報が検索できる形となって残っている。

AIまとめは結構面白い

テキスト化されたデータは、本機内蔵の生成AIによってまとめが可能だ。

面白いのが、検索をかけた前後の内容から、AIが自動で要約を生成してくれる点である。私は毎朝、「書く瞑想」という本の教えに倣って、放電(良くなかったこと、嫌だったこと)、充電(良かったこと、嬉しかったこと)の形式で感情の動きを書き留めている。ここに検索をかけると、自分を客観視点したまとめが返ってくるのが面白い。

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単にゴルフ、仕事といったキーワードで検索をしているだけなのだが、そのキーワードが引っかかる複数ノートを読み込み、要約情報を出してくれる。これが、手書きで書き溜めた日記などに適用すると、色々客観的な情報が出てきて面白い。

手書きという極めて主観的な記録を、AIが客観的なデータとして整理してくれる。この事自体は、日記を文字データとして記録している人であれば普通にできることだ。しかし、これを手書きの情報に対して、特別な作業無く実施できるのは面白いと感じた


カレンダーとタスク管理の融合も手書きとデジタルの融合として次第点

スケジュール機能についても触れておきたい。私はGoogleカレンダーをメインで使っているが、本機との同期は実用的だ。

大まかな予定はGoogleカレンダーで管理し、その日の細かなタスクを隙間に手書きで書き込んでいく。手書きで入力した予定は自動OCRされ、デジタル的にな情報にその場で変化する。この「アナログとデジタルの融合具合」がちょうどいい。

書き込んでからデジタル化されるまで、約5秒ほどの待ち時間が発生する。正直に言えば記入のリズムは崩れる。だが、個別にOCRボタンを押すよりは遥かに自動出来で、私にとっては十分に許容できる範囲だ。

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一番上の建国記念の日は、Googleカレンダーから同期されたもの。2つ目のゴルフレッスンは本機で手書き入力したもの。3つ目のNote記事の執筆は、手書きしたものをまさに今デジタル化された瞬間。手書き文字の左上にリアルタイムでOCRされた黒塗り白抜きの文字が写っている。

ただし、注意点もある。カレンダー内のメモ欄は単なる書き込みに留まり、OCRやAIまとめの対象外となる。日記や内省は、カレンダーではなく前述のノート機能で行うのが正解だろう。

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この「メモ」という欄に書かれたものはOCR対象外の模様。OCRされる箇所とされない箇所が少し分かりづらい。慣れれば問題ないのだろうけど。

読書機能のQuickBarの触感は良いが、PDF内リンク機能がうまく使えないのが欠点

PDFの閲覧、書き込みにも触れておきたい。PDFを扱うのは、純正の「読書」機能を使うことになる。

ここで評価したいのが、ページめくりに使える「QuickBar」だ。画面端をなぞることでパラパラとページをめくれるのだが、細かい音のフィードバックがあり、心地よい。 (ちなみにAndroid機としてスピーカーを認識していないようなので、このフィードバックのためだけのスピーカーと思われる)
物理的な本のように「あの辺に書いてあったはず」という位置関係を、指先の感覚で探ることができる。

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このエリアをなぞるとページ送りができる。意外に直感的で個人的な評価は高いのだが、専用アプリ内でのみの使用となるのが残念。

ただし、リンク付きのPDF(QUADERNO用のスケジュールPDFなど)を使いたい人は注意が必要だ。

  • 読書機能ではリンクをタッチしても、本体のメニュー表示が優先して、リンクでPDF内をジャンプすることができない。

  • ノート機能のようなシームレスな自動OCRも、この読書機能では機能しない。

これを重視する人には、本機はおすすめできない。実際私はQUADERNO用のスケジュールPDFが大のお気に入りで、どのEInkタブレットでも使っていたのだが、本機での使用は諦めた。

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QUADERNOのスケジュールPDFはリンク構造が秀逸で、月の表示をタップすれば月次ビューにページが移るはずなのだが…
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このようにメニュー表示が出てきてしまい、リンクで飛べない。

データのエクスポートはOCR結果が自動で付いてこないのが残念

さて、自動でOCRが効き、手書き文字データをデジタル文字データとして、本機内で即座に使えるのは嬉しいことだが、一方それを外部で使おうと思うとひと手間必要になる。
基本的に手書きノートの自動クラウドアップロードされ、スマホアプリやPCアプリを使って、タブレットの外に持ち出すことになる。クラウドからすぐにアクセスできる点は良いのだが、その後の出力方法が、スマホアプリだとPDFのみ、PCだとPDF、Word、TXTの3種類の形式となる。この内、PDFに自動でOCRされた情報が付加されたら後の検索性として問題無かったのだが、それは不可。一旦OCRボタンを押し、更にOCR結果をページに入れ込むことで、やっとデジタルな文字情報付きPDFになる。もしくはWordで出力すればそのまま文字情報と言えるが、オリジナルの手書きはなくなるので、一長一短といったところ。
ここが惜しいなと感じるし、外部との文字情報としての連携を考えているなら、気をつけたほうがいい。

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外部へのエクスポートは専用アプリからエクスポートすることになる。ただ、OCR情報はデフォルトで組み込まれないので、ひと手間必要になってしまう。

一方、デジタルな文字情報が不要で単なるPDFとしての出力ができればいいだけなら、それほど不満はない。ただ、ここでもQUADERNOとの比較になる。QUADERNOはそもそもファイルはすべてPDFなので、ファイル形式を意識する必要もないので、PDFのやり取りだけでいいなら私はQuadernoをおすすめする。


AINOTE2は、書いた後を意識できる道具

もし、ひたすら書くことの心地よさ、ペンの追従性を最優先するなら、迷わずQUADERNOを選ぶだろう。あちらの方が機能が少ない分、文房具としての完成度は高い。

一方、「書く」ということの価値とAIによる情報の再活用を両立させたいのであれば、AINOTE2はある程度の解決策となる。

自動OCRによって、手書きが情報の墓場にならず、自分の思考のインプットとして生き続ける。この体験は、現時点では本機が一番だと思われるのでそこに価値をどれだけ感じるかで、本機の価値も変わってくるだろう。


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