【侍ジャパン】大谷翔平の打席で響く日本ハム時代の応援歌 「先見の明」しかない13年前の歌詞に感嘆
【取材の裏側 現場ノート】久しぶりに生で聞いたこの歌詞は、誰がつけたのか。侍ジャパン・大谷翔平(31=ドジャース)のNPB時代の応援歌のことだ。 MLBでは鳴り物で選手を応援する文化がなく、このメロディーを聞けるのはWBCで日の丸のユニホームを着て戦っている時ぐらい。2日に京セラドームで行われたオリックスとの強化試合で、久しぶりにかつての応援歌が鳴り響いた。 「迷わずに駆け抜けろ 伝説の幕が開ける さあ気持ち込めて 進め 狙い定め跳べ! 大谷! 夢の向こう側へ」 日本ハム時代から応援しているファンでなくてもおなじみの歌詞だが、記者が「すごいな」と思うのは大谷が新人だった2013年にプロ初打席を迎える前から作られていた点だ。 この時のことはなぜかよく覚えている。当時は日本ハム担当で、開幕前のちょうど今と同じ時期。オープン戦の試合前に球団の広報担当者から「今年から新たに使用される選手別応援歌です」と1枚のリリースが配布された。その紙には、新たに一軍に定着しそうな若手選手の応援歌がズラリ。大谷の応援歌は数ある中の1曲にすぎなかったが「打てよ」や「走れよ」といった〝定型ワード〟はなく、他の選手と一線を画す内容だった。 それだけに、他紙の先輩記者と「これ、ちょっと歌詞のハードル高すぎない?」と苦笑いした記憶がある。もちろん、当時から投打で非凡な才能を発揮していたが、高校を卒業したばかりの18歳。プロ初安打も記録していない選手に応援歌が作られることも異例ながら「伝説の幕が開ける」「夢の向こう側」とスケールが大きいワードが散りばめられていたことも、驚きだった。 しかし、今や歌詞の通りになっている。NPBだけでなくMLBでも幾多の記録を塗り替え、すでに球史に名を残している。大谷の不断の努力があってこそだが、デビュー前にこの歌詞をつけた人には〝何か〟が見えていたのかもしれない。これまでの歩みとピタリと一致する内容には驚かされるばかりだ。(元日本ハム担当・赤坂高志)
赤坂高志