【WBC 2026】「神様、仏様、ダルビッシュ様」 侍ジャパン連覇を支えるアドバイザーの圧倒的知識と人間力
【サポートメンバーにもアドバイス】 ダルビッシュからすれば、年下の選手たちとも対等に言葉を交わすことで、新たな発見や学びの連続だという。その姿勢は日本代表メンバーに限らず、サポートメンバーの選手たちにも同様に向けられた。 2月21日、翌日のソフトバンク戦に備えて合流した左腕の佐藤柳之介(広島)は、ブルペンに入る前、ダルビッシュにこう声をかけられた。 「気になっているボールはある?」 佐藤が「スライダー」と伝えると、ボールの握り方、力の伝え方をアドバイスしてもらったという。 「スライダーがちょっと大きく曲がりすぎているので......。ジャイロ回転のスライダーというか、真っすぐに似たような通し方をするスライダーを投げたくて、そのための握りと、頭の意識を教えていただきました」 富士大学から入団した昨季、佐藤は5試合に先発してプロ初勝利を挙げた。富士大の安田慎太郎監督はデータ活用に明るいことで知られるが、佐藤は侍ジャパンのサポートメンバーとして活動するなかで、さらに知見を深めることができたと語る。 「(大学でも)ラプソードは使っていたんですけど、あくまで球速、回転数、回転軸ぐらいしか見たことがなくて。トラックマンでは縦横の変化もしっかり出ますし、スロー映像も見られるので、そうしたデータを確認しながら、見方も教えていただきました。それこそ松井裕樹さん(パドレス)の自主トレに参加させてもらった際にも、データの見方を学びました。そうした経験も生かしながら、(サポートメンバーとして)充実した3日間にできればと思っています」 今回のWBCで、アメリカ、ドミニカ共和国と並び"3強"と海外ブックメーカーに評価されている侍ジャパンは、両国よりも長い準備期間を経て本番に臨む。その過程で培われる結束力は、短期決戦におけるチーム力の向上につながるはずだ。 さらに伊藤が言うように、ダルビッシュの「野球界に対する考え方」は、今大会以降もさまざまな形で受け継がれていくはずだ。
捕手のひとり、坂本誠志郎(阪神)はこう話した。 「ダルさんは、僕とかにも気さくに話しかけてくださいますし、本当に知識が豊富で、どんなことを聞いても必ず答えが返ってきます。その点もすごく勉強になっています。ほかのピッチャーたちもいろいろと質問して、多くのことを学ばせてもらっていると思います。今回優勝できた時に、ダルさんのおかげというか、教えてもらったことが生きたと胸を張って言えるように頑張りたいと思います」 ダルビッシュとともに充実した宮崎合宿を過ごした侍ジャパンは、まもなく連覇をかけた過酷な戦いへと向かう。
中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke