一度なったら治らない糖尿病…スマホアプリで血糖値を管理 「し・め・じ」を退けよう! 健康で長生きを!
富家孝の「多病息災」
医師として、臨床や病院経営のほか、多くの健康医療本を書いてきた富家孝さん。大学の相撲部にもいた格闘技好きで、アントニオ猪木さんの元でリングドクターも務めました。その富家さんももうすぐ80歳。糖尿病、狭心症、前立腺がん、脊柱管狭窄(きょうさく)症を抱えています。後期高齢者になれば、多病は当たり前。「多病息災」で生きる知恵を、時に格闘技の話題も交えながらお届けします。 糖尿病の治療 選択肢の図解はこちら
私は現在、糖尿病、狭心症、前立腺がん(ステージ2)、脊柱管狭窄という四つの疾患を抱えていますが、もっとも厄介なのが、糖尿病です。狭心症はこれまで3回の手術により安定状態にあり、前立腺がんはもっとも進行が遅いがんなので放置して経過観察していればさほど問題はありません。脊柱間狭窄は長く歩くのがつらいといったところです。
神経、目、腎臓、脳、心臓の病気へ
しかし、糖尿病は、日々の努力を怠ると、たちまち悪化し、「3大合併症」と呼ばれる「し・め・じ」にやられます。(し)神経障害(手足のしびれや痛み)、(め)目の網膜症(視力の低下)、(じ)腎症(むくみや息切れ)です。発症する過程は(し)→(め)→(じ)です。神経障害が進めば切断につながる足の病変、網膜症が進めば失明。それだけではなく、脳卒中、心筋梗塞(こうそく)のリスクが高まります。 糖尿病が厄介なのは、初期にはほとんど症状がないことです。症状が出るにしてもごく軽く、体がだるい、手足の指がしびれる、肌のかゆみが続くなどです。また、喉の渇きや発汗が多くなることがあります。
健診を受けていれば容易に発見できるが
日頃から、企業健診、自治体の健診などで血液検査をしていれば、糖尿病は容易に発見できます。しかし定期的に健診を受けていない人もいます。また、糖尿病の疑いが指摘されても、約4割が治療を受けずに放置しているというデータがあります。一般的に血糖値の2~3か月の平均であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5以上だと糖尿病の疑いがあると診断されます。 しかし糖尿病は、治療を開始しても治る病ではありません。ただ放置しておくと悪化するので、治療というより、管理を続ける必要があります。 プロレスのリングドクターをしていたので、アントニオ猪木さんをはじめ、数々のレスラーの知遇を得ましたが、糖尿病になるレスラーは意外に多いのです。現在は、栄養バランスに基づく食事が行き届いていますが、かつてはレスラーの多くが偏食、暴食でした。 その結果、猪木さんも39歳の若さで発症しました。しかし、以来、投薬、インスリン注射などのケアを続けて血糖値をコントロールしたので、79歳まで生きられました。