中国が沖縄の人々を先住民族とみなす一方的な主張を展開し、沖縄に帰属問題が存在するかのような「認知戦」を仕掛ける中、自民党沖縄県連幹事長などを務めた元県議らが今月中旬、国連人権理事会で「私たちは日本人だ」と主張することになった。元県議ら県民有志3人が4日、那覇市内で記者会見し、明らかにした。
「レッテル貼りは県民への侮辱」
国連の人種差別撤廃委員会などは2008(平成20)年以降、琉球独立論者らの主張に基づき「沖縄の人々を先住民族として認めよ」などとする勧告を計6回出している。元県議の座波(ざは)一(はじめ)氏ら県民有志3人はスイスのジュネーブに赴き、国連人権理事会で「勧告は明白な誤りだ」と訴えるという。
今月16、17日に国連人権理事会でスピーチする予定の沖縄出身のジャーナリスト、仲村覚氏は会見で、「私たちは日本人であり、先住民族というレッテル貼りは県民に対する侮辱だ」と語り、「国連憲章の『内政不干渉』を堅持し、外部勢力による沖縄分離工作を即時停止させる」と強調した。
座波氏は「民間の立場として赴くが、自民党(沖縄)県連の賛同は得ている」と述べた。
中国は沖縄に「帰属問題」が存在するかのようなプロパガンダ(政治宣伝)を仕掛けている。昨年10月には、中国の国連次席大使が国連総会第3委員会(人権)で「沖縄の人々ら先住民族に対する偏見と差別をやめよ」などと日本政府を批判した。対日の「沖縄カード」を切ったとみられている。
石垣市議会は中国への抗議決議
これに対し、沖縄県内では中国に「対抗」する動きも広がる。これまでに糸満市議会や豊見城(とみぐすく)市議会、石垣市議会で、中国に厳重に抗議する決議と意見書を賛成多数で可決した。ただ、沖縄県を代表する玉城デニー知事は「中国側の発言は、さまざまな意見の一つであろうと受け止める。特に意見を申し上げることはない」と中国側に反論する姿勢を示していない。
政府が先住民族と認定しているのはアイヌの人々だけだが、沖縄には「先住民族の権利を奪われた」と主張し、「琉球独立」を唱えるごく一部の勢力が存在する。仲村氏は「0・1%の活動家の声を増幅させ、146万県民の民主的意志をゆがめている現在の報告メカニズムの『構造的失敗』を告発したい」と話した。
国連人権理事会は国連人権委員会を改組・格上げし、2006年に発足した国連総会の下部機関。国連加盟国の人権状況を監視し、改善を促す役割を担っている。(大竹直樹)