アマゾン、売上高で世界最大に-クラウド事業強みにウォルマート抜く

  • アマゾン25年通期は7170億ドル、ウォルマートは1月通期7132億ドル
  • アマゾンの躍進支えたクラウド事業、AI時代の重要インフラに

アマゾンのフルフィルメントセンター(米ニュージャージー州)

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

米アマゾン・ドット・コムはウォルマートを抜き、売上高で世界最大の企業となった。1994年にジェフ・ベゾス氏がシアトル近郊の自宅ガレージでオンライン書店として創業したアマゾンが、電子商取引とクラウドコンピューティングの巨人へと成長したことを示す節目となった。

  10年以上にわたり売上高で首位を維持してきたウォルマートは19日、1月31日までの1年間の売上高が7132億ドル(約110兆円)だったと発表した。アマゾンは今月初旬、2025年12月通期の売上高が7170億ドルだったと公表している。

ジェフ・ベゾス氏Photographer:Eva Marie Uzcategui/Bloomberg

  ベゾス氏はウォルマート創業者サム・ウォルトン氏を綿密に研究し、経営戦略の多くを取り入れながら自社を築いた。過去10年間で、アマゾンの売上高はウォルマートのほぼ10倍のペースで増加した。消費支出が実店舗からウェブサイトへと移行したことに加え、クラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の急成長が追い風となった。

  両社は消費者の支出を巡り激しく競合している。アマゾンは最大のオンライン小売業者で、同社のウェブサイトとモバイルアプリには毎月27億回の訪問がある。ウォルマートは世界最大の実店舗小売業者で、世界に1万店超の店舗や会員制倉庫型店舗を展開する。両社とも売上高の大半を米国で稼いでいる。

アマゾンが年間売上高でウォルマートを抜く

電子商取引とクラウドコンピューティングのリーダーが新たな首位に

出典:企業発表資料、ブルームバーグ

備考:アマゾンの会計年度は12月31日終了、ウォルマートは翌年1月31日終了。

  ウォルマートは電子商取引事業の強化で一定の成果を上げている。一方、アマゾンは2017年にホールフーズ・マーケットを買収し実店舗事業を構築しているものの、ウォルマートほどの成功を収めていない。

  ただ、売上高首位に大きく寄与したのは、ウォルマートが参入していないクラウド事業におけるアマゾンの優位性だ。AWSを除けば、アマゾンの25年売上高は5880億ドルにとどまっていた。アマゾンの躍進は人工知能(AI)の時代の重要インフラとしてのデータセンター事業に大きく支えられている。

ウォルマート創業者のサム・ウォルトン氏Photographer:Danny Johnston/AP Photo

  サンタクララ大学小売経営研究所のエグゼクティブディレクター、キルティ・カリアナム氏は「これは空虚な勝利だ。アマゾンは小売事業でウォルマートに勝ったわけではない。ウォルマートが手掛けていない新たな事業を立ち上げ、売上高で上回ったに過ぎない」と述べた。

  売上高で世界最大となることは、主に規模や消費者への到達力を示すもので、必ずしも投資家にとって最も重視される指標ではない。ウォルマートの前には、エクソンモービルやゼネラル・モーターズ(GM)がその地位にあった。一方、株式時価総額で世界最大はエヌビディアの4兆5000億ドルで、アマゾンの2倍超、ウォルマートの4倍超に達している。

原題:Amazon Dethrones Walmart as World’s Biggest Company by Sales(抜粋)

    — 取材協力 Jaewon Kang