金融庁が高市早苗首相の名前入りの暗号資産(仮想通貨)「SANAE TOKEN(サナエトークン)」について関連業者への調査を検討するなか、仮想通貨を運営する投資家側が4日、SNSなどで混乱を招いた一連の事態を謝罪した。そのうえで、仮想通貨の名称を変更し、保有者への補償を行うことになった。
投資家・溝口勇児氏が運営するYouTube番組「NoBorder」のプロジェクトチームが番組公式X(旧ツイッター)で同日、明らかにした。「今回の状況を踏まえた」と前置きしたうえで、トークンホルダーへの補償の実施▷サナエトークンの名称変更・プロジェクトの抜本的見直し▷有識者による検証委員会の設置・再発防止策の構築-の3点を決定したと公表した。
補償内容については「内容が確定次第すみやかに報告する」というが、新たな名称や変更する日時などはXに記載されてはいない。
サナエトークンは2月25日に取引が開始された。溝口氏は自身のXで「高市早苗総理の名前を冠した」と記載し、ホームページでは高市首相の顔のイラストを合わせて掲載した。番組内で「実は高市さんサイドとはコミュニケーションを取らせていただいていて」と発言するなど、高市氏側の承認を得た取り組みだと思わせるような表現を用いて仮想通貨をPRした。
ただ、3月2日夜に高市首相が自身のXで「このトークンについては、私は全く存じ上げませんし、私の事務所側も、当該トークンがどのようなものなのかについて知らされておりません」「本件について我々が何らかの承認を与えさせて頂いたこともございません」と、業者側との関係性を強く否定していた。
また、金融庁が調査に入ることを検討する際に、通常であれば仮想通貨の発行には「暗号資産交換業者」として同庁に登録することが必要だが、今回は、運営に携わったとされる企業(「NoBorder」側が発行を依頼した先)の登録が確認できていないことも明らかになった。
ただ、「NoBorder」は4日の投稿で「これまで高市事務所ならびに高市総理公認の後援会である『チームサナエが日本を変える』などと協議を重ね、連携していく方針について双方のSNSなどでご報告してまいりました」などと記載した。