「資さんうどん」「因幡うどん」…福岡うどんでファン増加中の“筑後うどん” ふんわりしながら粘りもコシも
北九州のソウルフードと呼ばれる「資さんうどん」や博多うどんの老舗「因幡うどん」の関東進出などで注目を集めるご当地うどん。福岡県筑後地区や筑後川流域を中心に食べられる「筑後うどん」もその一つ。県内随一の小麦の産地のうどんは、どう違うのか。店でうどん作りを体験し、その特徴や魅力に迫った。(岡部由佳里) ■丸天やごぼう天をトッピングした筑後うどん【写真】
ラーメンブーム契機
うどん文化が根付く県内でも、地域によってその特徴は異なる。うどん発祥の地とされる福岡市の博多うどんはふわふわで軟らかく、箸で持ち上げるだけで切れることもあるが、筑後うどんはふんわりしながら粘りもコシもあるのが特徴だ。だしは昆布やカツオ、アゴなど各店のこだわりが光る。 「この辺りは米と小麦の二毛作が行われてきた地域。昔はご飯と一緒に食べる汁物のおかずとして家庭で食べられてきたんです」。筑後うどん振興会の事務局長で、福岡県久留米市の「たけ屋」創業者の加藤正明さん(71)が、この地域のうどん文化のルーツを教えてくれた。 転機の一つは、20年ほど前のラーメンブーム。「豚骨ラーメン発祥の地」として久留米ラーメンが全国区に。危機感を抱くと同時に、好機とみたうどん店の有志が集まり、2004年に「筑後うどん振興会」を立ち上げ、ブランド化に取り組んできた。
うどんの手作り体験
たけ屋では、うどんの製法や魅力を知ってもらおうと、県内では珍しい手作り体験を受け入れている。筑後うどんの歴史を知ったところで体験に臨んだ。 味が良い国産と、のど越しの良さが特長のオーストラリア産をブレンドした小麦に塩水を入れ、指を立てて素早く混ぜる。最初はぼそぼそとしていたが、次第になじむ。粘土をこねるように丸めていく。 「塩水の塩加減と、熟成時間が腕の見せどころ」と加藤さん。食感など品質のばらつきをなくすため、仕込み中の気温や湿度に細心の注意を払って調整しているという。
丸めた生地をビニール袋に入れ、足踏みの作業に移る。しっかり踏むことで粘りやコシが生まれる。想像以上に弾力があり、体力がいる作業だ。 ここで店があらかじめ前日から寝かせて熟成させた生地に交換。自身で練り、足踏みした生地は持ち帰って一晩寝かせ、自宅でいただく。この熟成させる時間が短いとコシが強く、長いと軟らかい食感になりやすい。かの讃岐うどんは比較的短いことが多いそうだ。