「正気に戻れ」、アラブ諸国がイラン批判強める-報復攻撃拡大で
(ブルームバーグ): イランの湾岸地域への攻撃に、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が批判を強めた。
ムハンマドUAE大統領の上級外交顧問であるアンワル・ガルガシュ氏は、「正気に戻り、周囲の状況を直視すべきだろう。孤立とエスカレーションの輪が広がる前に、分別と責任をもって近隣諸国に向き合ってもらいたい」とX(旧ツイッター)で呼び掛けた。
「あなた方の戦争は近隣諸国とのものではない。このエスカレーションによって、イランを地域における最大の脅威と見る人々の主張を裏付けてしまっている」とガルガシュ氏は続けた。
サウジアラビア外務省は、2月28日に始まった米国とイスラエルの攻撃に対するイランの報復に「断固とした」国際的対応が必要だと主張。カタールは、オマーンのドゥクム港に対するイランの攻撃を「卑劣」と表現した。
イランは米国とイスラエルによる空爆に対抗して、イスラエルや近隣のアラブ諸国に報復攻撃を仕掛けているが、アラブ諸国の当局から出てきたこうした発表文は、イランの孤立が深まっていることを示す。
UAEの主要都市であるドバイとアブダビは28日朝以降、数百に上るミサイルや無人攻撃機(ドローン)によるイランの攻撃を受けた。大半は迎撃に成功し、死傷者の報告はほとんどない。それでも住民の間にはパニックが生じ、安定した金融・物流拠点であるというUAEの地位や観光業には大きな脅威を呈した。
「ハメネイ師に責任あった」の声も
世界の首脳らも、イランを巡る危機の迅速な解決を呼びかけた。米国の同盟国では、イランの最高指導者ハメネイ師を標的とした判断を支持する声も出ている。
オーストラリアのアルバニージー首相は1日、記者団に対し「ハメネイ師はイラン政権の弾道ミサイルや核開発計画、武装代理勢力への支援、自国民に対する残虐な暴力や威圧行為に責任があった」との認識を示し、「その死が惜しまれることはない」と述べた。
アルバニージー氏はイラン攻撃の合法性に関する判断については、行動に直接関与した米国などの問題だとしつつ、イランの体制が国際平和と安全保障に対する現実的な脅威だったと主張。「今回の措置が迅速な解決につながることを期待する」と語った。