純粋理性批判⑧

カントの哲学に「物自体の存在」という概念がある。カントは私たちは現象を見ているが、色眼鏡をかけて見ているのであり、物自体の存在を見ることはできないと考えた。いわば客観的実在が物自体の存在であると考えることができる。物自体の存在は感性の対象にはなりえない。思考の対象になることは可能だが、詳しく分析することは容易ではない。目の前にある「りんご」に具わる(あるいは含む)ヌーメノン(物自体の存在)とは存立しているだろうか。私たちは視覚で受け取った情報を加味するが、どこが知り得ないかが分からないという事態になりかねない。本当にりんごのヌーメノンはあるのか、という疑問が生じる。しかし、私は「りんごのヌーメノンがある」と知りボールで知っている。どこら辺にヌーメノンがあるかが判然としないが、とにかく「りんごにヌーメノンがある」と知りボールで知っている。皆さんもこの二種類のタイプを知ってみて欲しい。私の思索はどこら辺にヌーメノンがあるか、ということに行き着いた。「りんごの下にヌーメノンがある」という思索に至り、それを知りボールで知った。りんごの下は98%以上見ていなかったと考えた。いや、もしかしたら99.9%以上見ていなかったのかもしれない。りんごの下はどうなっているのだろうか。私はその答えを探る前に、「みかん」のヌーメノンが気がかりになった。私は「みかんの一番上がヌーメノンである」と考え、そして「みかんの下がヌーメノンである」と考え、どちらも知りボールで知った。たしかにみかんの一番上のヘタは何だか判然としない。みかんの下の部分も何だか判然としない。皆さんもみかんをよく見てみるとよく分からない構造であることに思い当たるであろう。そもそもみかんの外面のブツブツはなぜあるのか、何でできているか判然としない。これはヌーメノンとは違うかと思えば、ヌーメノンである可能性もある。外面の斑点は視覚で捉えられ、斑点と知りうるからヌーメノンではないように思うかもしれないが、この斑点が謎を呼ぶのである。この粒はおいしさの証である油胞であると言われるが、なぜこういう構造をしているかが謎なのである。

お茶碗(急須)のヌーメノンを考えていた。「湯が出るところがヌーメノンである」と考え、これを知りボールで知った。急須というものは素材が揃えば作ることはできよう。湯が出るところがなぜヌーメノンか判然としないが、何か理由があるのであろう。素粒子レベルで考えると、湯が出るところは何で出来ているか分からない。お茶が過ぎ去るところではお茶の成分や急須の外面が混ざり合っていることも考えられる。そしてお茶が過ぎ去るところでは空気と触れ合うところでもあり、空気中の成分がお茶の成分や急須の外面と混ざり合っているとも考えられる。空気中の成分には二酸化炭素やアルゴンなどが含まれており、紫外線も含まれている。人間は紫外線を見ることが不可能である。しかし犬などの動物には紫外線は見えるとも言われている。猫には紫外線が見える場合と見えない場合がある。人間に紫外線は捉えようがないが、これを物自体の存在と称することもできよう。人間には紫外線は不可知であると考えることもできる。犬は紫外線が見えるから犬には紫外線は物自体の存在ではないという意見もある。
能力のジレンマとして、どんなものも見えるが理解力や判断力全くなく頭に入らないというものが考えられる。これはどんなものも見えるが、実にならないというジレンマである。犬は紫外線が見えるが、紫外線についての情報や考え方が吸収できず、全くといっていいほど紫外線を知り得ない、ということを考えてみるとどうだろう。犬の視覚活動は目覚ましいものかもしれないが、視覚のデータを精確かつ具体的に受け取ることが能力相分として難しいということである。
この能力のジレンマは現実を写し取るであろうか。犬は紫外線を勉強することがほぼ皆無であり、犬は紫外線について不可知である可能性がある。犬は紫外線について学ぼうとしないであろう。犬は紫外線を学ぼうとしたら、勉強するところがないと言うのではない。必ずしも勉強する訳がないというのではない。勉強しようとしても学ばない可能性があるというのである。犬は嗅覚が発達しているから、匂いに関しても詳しいはずである。みかんの匂いも人間より分かっていることが往々にしてありうる。みかんの匂いは物自体の存在というのかは、各哲学で明らかにされていって欲しい。
客観的実在という語の女子語的意味は、物自体の存在、という内容である。物自体の存在という語の女子語的意味は、客観的実在、という内容である。客観的実在はたしかに私たちの主観を超えて存在しているであろう。私たちの主観では客観的実在を捉えることができない。主観を超えて存在、という語の女子語的意味は、客観的実在、という内容である。物自体の存在は不可知である。

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