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【無配】執事弓としょたーず その1【だった】/Novel by なぁぎ

【無配】執事弓としょたーず その1【だった】

3,878 character(s)7 mins

※但し二月の王の器のときの。
※そして各真名バレご注意下さい

スパコミでその2を発行したので、その前の無配のミニ本、執事弓とショターズ その1を上げてみる。
A6サイズのミニ本なので内容はほぼ無い。単に執事な弓さんと赤騎兵、旧剣、旧槍ショターズがわいわいしてるだけです。
執事弓さん大好きしょたーずは私の癒し(`・ω・´)

どうでもいいですがこれタグはどうすればいいんだろうか(頭抱え)

あ、SCCの新刊、自家通販始めています。詳しくはこちら【illust/43366335

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※プロトセイバー、プロトランサー、アポクリファの“赤”のライダーの真名バレあります。












 緑のような金色の髪とオレンジ色に瞳のアキレウス君のお家には、お父さんとお母さんの他に、執事さんが一人。
 アキレウスは、その執事さんが大好きです。
 そして、日本で知り合った二人の友達も、執事さんのことをすぐに大好きになりました。
 一人は、金髪碧眼のイギリス人、まだまだ日本語がへたくそなアーサー。
 もう一人は、珍しい青い髪に赤い瞳、アイルランド出身なのに日本語ぺらぺらなホリン。
 インターナショナルスクールで知り合った三人はいつの間にか仲良くなり、自然とお互いの家を行き来するようになりました。
 そこで、アーサーとホリンはアキレウス自慢の執事と出会ったのです。
 白い髪に褐色の肌、鋼色の瞳の長身の青年。

「ただいまーアーチャー!」
「こんにちは。お邪魔しますアーチャーさん」
「こんちはアーチャー。おっじゃましまーっす」
 三人の賑やかな声に、執事が玄関ホールまで出迎えにきました。
「お帰りなさいませ若様。アーサー様もホリン様も、ようこそいらっしゃいませ」
 使用人としての礼を取る執事に、子供たちは抗議の声を上げます。自分たちしかいないときは敬語を止めて普通にしてくれと、何度も言っているのにこの執事さんは毎回、言われない限り敬語を止めてはくれないのです。
「君たちもしつこいなまったく。これでいいかね? さあ、手を洗ってアキレウスの部屋で待っていたまえ。今日のおやつはマフィンだ」
 敬語を止めた執事さんの言葉に、子供たちは歓声を上げて割れ先にと洗面所に向かいます。
 その背中を見送って、執事さんことアーチャーは、三人分のおやつとお茶を用意するためにキッチンへと向かうのでした。

 これは、とある執事と三人の子供たちの小さな物語。

お勉強会


「数学って誰が得するんだよー」
「理科はわかるけど足し算引き算かけ算できればいいよなー」
「二人とも、いつも同じことを言っててあきないの?」
 アーサーの言葉に、アキレウスとホリンは飽きない、と即答する。
 数学はおろか座学全般が苦手なホリンと、数学と社会が嫌いなアキレウス。アーサーは日本語と芸術以外は問題なしのオールマイティーだ。
 大体三人で宿題をやると、さっさと終わるアーサーに嫌いなものだけが残るアキレウス、そして終わらないので逃げ出したいホリン、という形になる。
「このくらいの数学は、覚えておかないと社会に出たとき不利だぞ」
 頭上からの声に三人が頭を上げると、アーチャーがお茶を片手にそこにいた。
「やった!休憩休憩!」
「あ、ホリン一問も解いてないのに休憩とか!」
「いいじゃんかアーサー。頭のえーよー補給だって」
 机の上に広げたノートをグシャグシャと片づける二人に、アーサーはほんとにもう!と怒りながら自分も手早くノートをしまう。
 だって美味しそうなお菓子の匂いがしているのだ。早く食べたいのはアーサーも同じこと。
 そんな子供たちの様子を微笑ましく思いながら、アーチャーは空いたテーブルにお菓子とお茶を手際よく並べていく。今日はハチミツビスケットにアーチャーお手製のコーヒー牛乳だ。
 お行儀よくいただきます、と挨拶して我先にと食べ始める子供たちに、そんなに焦るんじゃないとアーチャーは苦笑いする。
「だってホリンが食っちまうし!」
「オレだけじゃねえよアーサーだってひっそりバカみたいに食ってるぞ!」
「アキレウスは毎日アーチャーのおやつが食べるんだから、こういうときくらいは少し遠慮してもいいと思うんだけど」
 空いたマグカップにコーヒー牛乳のお代わりを注ぎながら、アーチャーがさらりと告げる。
「ちなみに、そのビスケットは三人でちょうど分けられるように三十六枚焼いてある。さて、一人何枚かな」
 ぴたりとアキレウスとホリンの手が止まる。アーサーは一瞬止まったが、すぐに答えが出たらしく平然と次の一枚を手に取った。
「ちなみに何枚食べたかは私がちゃんと見ているから、食べ過ぎたら次回の分が減るぞ?」
 数学は大事だろうと微笑むアーチャーの姿に、子供たちはただ黙って頷いたのだった。

ぶつけたとこからでっかくなる。


「アーチャー、絆創膏ー」
「待ちたまえ。やれやれ、今日はまた随分派手に擦りむいたな」
「サッカーで思いっきり削られて転んだ。ホリンも後から来る」
「アーチャー、血ぃ止まんねえー!」
「ホリン待った、泥落としてから」
「着たか。構わないからそのまま入ってきたまえ!」

「いたたた染みる染みる!」
「我慢しろ。きちんと汚れを落とさねば化膿してしまう。アーサー、君は怪我はないのか?」
「はい。僕は長袖だったから」
「アーチャー、タオル持ってきたぜ」
「ありがとうアキレウス。よし、こんなものか。消毒するからまた染みるぞホリン」
「げ、マジかって、~~~~~っ!!!!」
「アーサー、顔に泥付いてるぞ。ほれ、これで拭けよ」
「本当? ありがとうアキ」
「よく我慢したなホリン。あとは血が止まるまで、これで強く押さえておけばいい。
ところで君たち、勝ったのだろうな」
「「「当たり前だ!」」」

 ならば良し。今日のおやつはご褒美にスペシャルメニューだ。

内緒ないしょ


「アーチャー、これはどこにしまうんだ?」
「アキレウス、ギリシア語は禁止だ」
「そうだぞーオレらにはわかんねえんだから」
「君のアイリッシュも分からないよホリン」
「アーサー、君の英語も禁止だ。日本語で喋りたまえ」
 只今、物置部屋の片付け中。
 そして、アーチャー先生の語学授業、開講中。

 そもそも、この四人の出会いの切欠は、アキレウスが学校でウチの執事(アーチャー)が飯美味いし語学もめっちゃ出来る、と自慢した事による。
 それにアーサーとホリンがそんな凄いやつならいっぺん見てみたいと言いだして、アキレウス宅にお家訪問、となったのが始まりだ。
 今ではすっかり、アーチャーのおやつと語学授業はアキレウス宅でのメインとなっている。
 授業の内容としては、日本に来て日の浅いアキレウスとアーサーは日本語を。日本語と英語は問題ないホリンは、普段使わないので忘れないようにと日常会話をアイルランド語で交わしている。
 と言ってもテキストなどを使うのではなく、あくまでも日常生活、会話の中で縛っていく方式だ。習うより慣れろ、である。
 ちなみに普段は日本語と英語を交ぜて使っている。アーサー達が帰った後、アーチャーとアキレウスだけの時はギリシア語と日本語だ。
「アーチャーはさあ、どんくらい言葉喋れるわけ? オレ、家族や身内以外でアイルランド語喋れるやつ知らないんだけど」
「ふむ。若い頃に回った国ならば、まず日常会話には不自由しないかな」
「マジで? じゃあすっげー喋られるのか!」
「そこまででも無いと思うが……十二かそこらではないかな」

「だー! アイルランド語禁止ー! 内緒話ずりぃぞホリン!」
「そうだぞ! 僕たちに分からない言葉なんて!」
「ふん、だったらお前らも早く日本語マスターしろよ」
「こら、アキレウスもアーサーも、物を持ったまま暴れるんじゃない。壊れ物だったらどうする」
 注意されてアキレウスとアーサーは頬を膨らませたまま引き下がる。この場合、ホリンとアーチャーの会話はアイルランド語、それ以外は日本語で交わされているため、ホリンとアーチャーは全て把握できているが他の二人には分からない、という訳だ。
 意外なことにも、三人の中で語学に一番才能があるのはホリンなのである。
「アーチャー! 後で何話してたか教えろよ!」
「日本語を使いたまえアキレウス。なに、君が知っているようなことだよ」

「えー、じゃあアキが知らないことなんか教えてくれよ」

「二人とも卑怯だぞ! 僕に分からない言葉を使うなんて!」
 英国出身のアーサーは、母国語が英語、キングスイングリッシュのため他の言語に触れる機会がほとんど無い。故に、他の二人のようにアーチャーと内緒話などが出来ない。
「アーサー、心配しなくても君に隠し事などしないよ。ほら、これを片付けたら今日は終わりだ」
 プリンが冷蔵庫で冷えているぞ、というアーチャーの言葉に、きゃいきゃいと賑やかだった子供達が一斉に片付けに集中し始めて、アーチャーは呆れ半分に笑ったのだった。

子供でも騎士様。


「今日の会議は」
「ホリンのお兄さん対策」
「あの馬鹿兄貴をアーチャーに近づけないために」
「「「頑張るぞー!!」」」

「何をしているのかね?」
「うお!? あ、アーチャーは入っちゃ駄目だって!」
「おやつは後で自分で下げに行きます!」
「ちゃんと宿題も終わったから心配するな!」
 バタン。
「……まあ、子供は秘密を抱えるものだしな」
 さみしくなんかない。

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