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Sandwiched between two Heros./Novel by なぁぎ

Sandwiched between two Heros.

1,770 character(s)3 mins

王の器8の新刊サンプルでございます。

Sandwiched between two Heros.
A5/32P/小説/槍弓・赤騎弓
N34 ponket! にて配布予定。

五次ランサーとアポクリファの“赤”のライダーが五次アーチャーを取り合うお話。各サーヴァントの真名バレをしておりますご注意を。
ゆるいコメディ。割とアーチャーがランサーに酷い。ナチュラルに。幸運値の違いなのそうなの?
いえまだ公式に出てませんけどね“赤”のライダーのステータス。

サンプルは冒頭から二ページ分です。

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Sandwiched between two Heros.


 閉じよ、閉じよ、閉じよ―――

 聖杯戦争も中断になったことだしと、気を抜いていたのが悪かったのか。
「そう、やっぱりあなたも呪文の詠唱なしで召喚しちゃってたのね。んー、じゃあちょっと今、おねえちゃんと一緒にやってみなさい!」
 そんな姉の言葉に逆らえるはずもなく、懐かしい土蔵を臨む縁側で、姉の後を真似して口ずさんでしまっていた。
 なにも起こらずに、たわいない笑い話で終わるはずだったその戯れが一転したのは、土蔵から強い魔力の反応が出たからだ。
「何だ?!っつ!」
「うそでしょう、もうサーヴァントは七騎そろってるのに、どうして反応するのよ!? ってシロウそれ!」
 いつか体験したことがあるような痛みとともに現れた、右手の令呪。
 私の手に現れたそれを目にしたイリヤスフィールは、事態が抜き差しならないと瞬時に判断したのだろう、土蔵の異変を確かめに向かう私に対して、詠唱を最後まで続けなさいと叫んだ。 それだけならまだしも、急いで私の後について来るその姿に、私は制止の声を上げる。
「イリヤスフィール、君は危ないから下がっていろ。なにが起きるかわからない」
「大丈夫よ! それにあなた、私がいないと詠唱の続きわからないでしょう? ちゃんとおねえちゃんの真似するのよ」
 私の手をしっかり握って、前に出ないと同時に退きもしないという意思表示をしたイリヤスフィールは、光る円陣に向かい目を逸らさずに真っ直ぐ見つめる。
「さあ、続けるわよ。―――告げる」
 一声発するごとに、彼女の膨大な魔力が渦巻くのがわかる。その圧倒的ながらも美しい姿に、気づけば私も彼女に続き呪文を唱えていた。
「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者」
 私の中でも魔力がうねる。ラインがつながっている凛から魔力を引き出している気配も、それに気づいた凛からの問いかけも知覚していたが、それに答える余裕はなかった。
 ただ、右手の令呪と、今はもうないはずの心臓が、燃えるように熱い。
 その熱に浮かされるように、私は最後の一小節を唱えた。

「汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――!」

 そうして、光の渦の中心に現れたのは。
 緑掛かった短い金髪に、オレンジ色の瞳。目鼻立ちのすっきり整った、堂々たる体躯の美丈夫。
 身につけた武装は銀に輝く鎧と、手にした槍のみ。
 一見、軽歩兵と見間違えんばかりの姿だったが、しかしその圧倒的存在感は、男がそのような易い存在ではないと告げていた。
 息を呑む私とイリヤスフィールの姿をとらえた男が、ニヤリと笑う。
「よう、アンタが俺のマスターか?」


 それが、もう二週間も前の話だ。
 あの後、駆けつけてきた凛に説教されること一時間、召喚の際に魔力を供給した形になってしまい、ややぐったりとしたイリヤスフィールの姿に過剰反応したアインツベルンのメイドたちに白い目で見られるのは現在も続行中だ。もっとも、彼女たちには滅多に会わないので、大した問題にはなっていない。いや、これは私の事情だった。
 ともかく、中断された聖杯戦争に、新たなサーヴァントが召喚されるという事態に、緊急でマスターとサーヴァントたちによる会議が行われた。

 しかし、その会議の結果。この異常事態に対して出された結論が
「触らぬ神に祟りなし」
 であったのは、それでいいのか凛、と思わざるを得なかった。
 なにかこう、もう少し前向きな解決策みたいな物は無かったのだろうか。
 とはいうものの、私と召喚された男の間に通ったパスは、何ら問題もなく魔力供給と意志の疎通を可能としていたし、サーヴァントを従える際に一番の問題である魔力の供給も、私の魔力量でも大規模な戦闘をしなければ問題ない、という男の言葉が全てを決めた。
 彼との直接の契約者は形式上、私になるのだが、この身がサーヴァントである以上、己自身もマスターから魔力の供給を必要とする。故に、その負担は私のマスターである凛に掛かってしまうのだが、彼女曰く
「ふつうのサーヴァント一体分くらいね」
 ということらしい。

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