【報ステ解説】核協議中に奇襲…なぜ?イランに大規模攻撃 ハメネイ師殺害で戦火拡大
先制攻撃に踏み切ったアメリカとイスラエル。それに対抗するイランによる攻撃の応酬が止まりません。 【画像】核協議中に奇襲…なぜ?イランに大規模攻撃 ハメネイ師殺害で戦火拡大
戦火は中東全域へ 民間人も犠牲
最高指導者・ハメネイ師が殺害され、その日のうちに反撃を開始したイラン。ターゲットにしたのは、殺害作戦を行ったイスラエルだけではなく、中東各地のアメリカ軍施設です。 イラク北部のアルビル。 CNN ワード首席特派員 「何か着弾したのでしょうか。アルビル空港の敷地から、炎と黒煙が上がっています。いまのイラクでアメリカ兵を見かける数少ない場所の一つです」 民間施設にも、被害は及んでいます。 UAE=アラブ首長国連邦など、各地で民間人が亡くなりました。 アメリカとイスラエル合同のハメネイ師殺害作戦は、中東全域に戦火を広げ、イランの攻撃を受けた国は、10カ国に及びます。 イラン ペゼシュキアン大統領 「イラン・イスラム共和国軍は、敵の軍事基地を粉砕しようと強力な行動をとっていて、今後も継続し、敵をこれまで通り、絶望的な状況に追い込むだろう」 イラン アラグチ外相 「我々は、自国を防衛するし、そうする正当な権利がある。アメリカの行為は侵略行為だ」 イスラエルへの攻撃には、レバノンの親イラン民兵組織『ヒズボラ』も加勢。これに対して、イスラエルは反撃し、レバノン側では、31人が亡くなっています。イスラエルでも10人以上が死亡しています。 最大の商業都市・テルアビブ。大使館の手配のもと、日本人の退避が始まっていました。 先月から出張で訪問の日本人 「こういうことがあるというのは聞いていたけど、実際に体験すると深刻。(Q.実際に迎撃している様子は見た)ホテルにいる人たちが見たというのは聞いた。本当に、命の危険を感じた」
トランプ大統領 “犠牲は増える”
アメリカ軍の兵士にも、犠牲が出ました。 CNNによりますと、クウェートのアメリカ軍基地へのドローン攻撃で3人が死亡。重傷者も出ています。 アメリカ トランプ大統領 「アメリカは兵士の死に報復し、文明世界に戦争をしかけたテロリストに痛烈な打撃を加えるだろう。悲しいが、終わるまでに死者数は増えるだろう。そういうものだ。そうならぬように、全力を尽くすつもりだ」 “平和の使者”を自任し、ノーベル平和賞受賞を望んできたアメリカの大統領が、また始めた他国への軍事攻撃。合同で作戦を行ったイスラエル軍は、攻撃開始1分で、イラン軍司令官40人を殺害したとしています。そして、その最大のターゲットが、ホメイニ師亡きあと、約37年にわたり最高指導者を務め、強権体制を敷いてきたハメネイ師です。 その死をもたらしたのは、アメリカとイランが核協議を続けるさなかの奇襲でした。 先月28日の朝、イスラエル軍の戦闘機が爆撃したテヘラン中心部の指導部施設。ハメネイ師は、革命防衛隊の司令官や国防相らとともに、この中にいました。 ニューヨーク・タイムズによりますと、CIAは、数カ月前からハメネイ師を追跡。先月28日の朝に会議が開かれることを突き止め、夜の奇襲から時間を切り替え、決行したといいます。 トランプ大統領は、戦闘が、今後4週間続くとの見方を示しています。 最高指導者を軍事力で排除したその先に、アメリカはどんな未来を描いているのでしょうか。 アメリカ トランプ大統領 「自由を求めるイランの愛国者に告ぐ。この好機に、勇敢な英雄として、祖国を取り戻すよう呼びかけたい。アメリカは諸君とともにある。私は約束し、それを果たした。あとは諸君次第だが、我々は支援する」 体制転換を呼びかけるトランプ大統領ですが、ABCニュースの取材には「攻撃がうまくいきすぎて、次の指導者として我々が考えていた候補者は、全員、死んでしまった」と述べました。 アメリカの当局者は、革命防衛隊の幹部が自発的に降伏する可能性は低いとみていて、体制転換には懐疑的のようです。 今回の攻撃により、イランで、555人の命が失われました。 破壊しつくされたイラン・ミナブの女子学校。 アルジャジーラによりますと、イスラエル軍のミサイル攻撃によるもので、死者は180人に上るといわれています。この学校は、革命防衛隊が使用する基地の敷地内にあり、元々は軍事施設だったとの情報があります。 住民 「数年前からミサイル基地は、別の場所に移されていた。敵の情報収集能力が弱く、ここをミサイル司令部だと勘違いしたのかもしれない」 国際法を揺るがすアメリカとイスラエルの攻撃。 トランプ政権の高官は「イランが中東に駐留するアメリカ軍に先制的な攻撃を行う兆候があったからだ」と主張していました。 CNN コリンズキャスター 「国防総省は議会関係者に、イランは、イスラエルから先制されない限り、中東の米軍や駐留基地を攻撃する意図はなかったと明かしました。問題は、トランプ政権の説明や、政権の週末の主張との兼ね合いです。これまでは、イランが、アメリカに先制する意図がありそうだとして、アメリカと軍や施設が脅威にさらされていると説明していました」