この数日、SANAE TOKEN(SANAET)が大きく話題になっていることから、日本法の観点から主要な論点を整理してみました。
①資金決済法違反のリスク
トークンの発行体・運営側が、上場したDEXで、流動性供給のため売り買い等することは、実態として「暗号資産交換業」にあたり、無登録営業として資金決済法違反となる可能性があります。
今回のSANAE TOKENが刑事事件となるのであれば、この論点が、一番可能性が高いように思われます。
ただ、「暗号資産交換業」に該当するかどうかの明確な判断基準について、判例・裁判例や監督省庁の指針などは示されていません。
②逮捕等の前例
DEXでの流動性供給について、運営等の逮捕・立件は、これまでの公開情報では前例がないかと思います。
仮に今回、当局が動けば、国内初の事例となる可能性があります。
これ以上話題になり続けるようだと、もしかしたら見せしめ的な捜査などは行われるかもしれません。
③詐欺罪のハードル
X上で、↑の論点よりも話題になっているのが、ロックアップのないトークンを、運営側が上場後売って価格が急落している点が詐欺にあたるのではないか、という点です。
ただ、一般論として、ロックアップが元々定められていないトークンの売却を運営が売ることについて、ビジネス上の是非はさておき、刑事上の詐欺罪にあたるかどうかは、全くの別問題です。
詐欺罪は、当初からの詐欺を働こうとしていた、という意図の立証が必要であり、ロックアップのないトークンを売った、というだけではハードルが極めて高いのが現実です。
日本のWeb3の将来を考える重要な場面、今後の動きに注目です。