任意後見契約は好きではないけど
2022年6月7日(火)、おつかれさまです。
今日の岡山県の新規感染者数は199人、大阪府1,925人、東京都1,800人、沖縄県1,467人、愛知県1,290人、神奈川県762人、全国では17,039人でした。相変わらず沖縄県が多いのが心配です。
本日のメインの仕事は3つ。①財産管理等委任契約(任意代理)を締結している90代女性の通院介助、②贈与登記で久米南町訪問、③先々月から関わっている90代男性の任意後見契約。
ところで、私は、任意後見契約はあまり好きではないと公言しています。
好きでない理由の第1は、契約の内容が高齢者には複雑すぎるということ。ボケたときに家庭裁判所に後見監督人選任を申し立てるというシステムがわかりにくい。契約と発効の2段階に分かれていることを理解できない方は多いと思います。
任意後見契約の委任者どころか、受任者である親族がこの2段階を理解しておらず、契約したら即、自分が後見人であると誤解して、金融機関も任意後見契約の登記事項証明書で口座名義を〇〇任意後見人□□と変更して取引をしていたという事案に遭遇したことがあります。
2段階方式がわかりにくいのは、家裁に対する後見監督人選任申立てをイメージしにくいからだと思います。誰しも経験のないことはイメージしにくく、裁判所と言っただけで、「私は何も悪いことはしてませんよ」と言われてしまうことはよくあります。
それは、刑事ドラマや犯罪報道で、裁判所は犯罪者を裁くところというイメージが定着しているからです。家裁=離婚調停とまではイメージできても、任意後見監督人選任申立てのイメージは制度が始まって20年経っても一般の人はイメージできません。
委任者の頭の中に家裁を登場させるより、予め監督人候補者を決めておいて、「もしあなたが認知症になったらこの〇〇さんが後見人で、ここにいる□□さんが監督人になります」と、顔と名前を事前に登場させたほうがイメージしやすいと思います。
好きでない理由の第2は、将来自分がボケたときを想定して準備しようなんて発想する能力を持ち、きちんとしておきたいという性格の方はボケにくいという事実。これは経験上はっきり言えると思います。契約数に比して発効数が少ないのもある程度しょうがないと思います。
好きでない理由の第3は、仮に任意後見契約の委任者がボケたとして、こういう将来を考えて任意後見契約をするようなしっかりした人こそ自分がボケたことを認めようとしないということ。ここで苦労するわけですよ。
だから、私は、任意後見人になるための契約はなくて、見守り契約や財産管理等委任契約から法定後見等に移行する契約があってもいいと思うのです。
そのためには民法を改正して、法定後見等申立ての申立権者に「公正証書により本人より本人の法定後見等申立てをすることを委託された者」を追加する必要があります。
こういうふうに任意後見制度が好きでない理由を語らせたらいくらでもしゃべるのですが、それでも今日新たに任意後見契約を一つ締結してしまいました。
ご本人は90代ですが、頭は実にしっかりされています。しかし身体障害があって車椅子での自力走行困難、自署もできません。私が任意後見制度が好きでない理由の第1は、きちんと理解されています。
そうそう、公証人が言っていましたが、リーガルサポートは任意代理契約と任意後見契約を別々の証書で作りたがるけど、一緒に1個の証書で作った方がわかりやすいし、費用も安いって。確かにそうですね。次にやる機会があればそうしてみようと思います。(桐)
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