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2022年6月 9日 (木)

ゆうちょの利用代理人制度に学ぶ

 2022年6月9日(木)、おつかれさまです。

 7日に「任意後見契約は好きではないけれど」という記事を書きましたが、任意後見の前段階として任意代理(財産管理等委任契約)というステージがあります。

 任意代理の段階で、金融機関に対してどう説明して、どういう取り扱いをしてもらうのかが実務上の問題となります。このときありがたいのは、ゆうちょ銀行の「利用代理人」という制度です。

 成年後見、保佐、補助、任意後見、この4つはいずれも本人の判断能力が不十分になったときのための制度で、裁判所が関与する手続きです。裁判所が審判を下すのですから、金融機関がそれに応じるのは当然です。

 ところが、任意代理は、公正証書で契約書を作成したとしても、あくまで任意の代理であって裁判所は全く関与しません。そこで、金融機関は〇〇任意代理人□□という口座名義で登録してくれるかどうか、そこが問題となるです。

 世の中には、判断能力はしっかりしていても、高齢や事故等の障害により身体不自由な方は大勢います。昔なら銀行員が口座から引き出して現金を家まで届けてくれたり、施設まで口座振替の用紙を持ってきてくれたりなんてこともありましたが、今はまずありません。

 90代半ばに達し、頭は実にしっかりしているのですが、脳梗塞の後遺症と脊柱管狭窄症と変形性関節症により肢体不自由の方がいます。こういう方に、もし身寄りがなければ、任意の代理人を頼まざるをえません。

 生活費のお届け、公共料金・施設利用料の支払い等、日常生活のあらゆる場面で、代理人は本人の預金口座から出金しなければなりません。任意代理契約(財産管理等委任契約)ではこれらの預貯金の管理を代理人に任せることになります。

 そのとき、ゆうちょ銀行の利用代理人という制度を使えば、本人も出金できるし、利用代理人として選任された人も出金できます。全国津々浦々、どんな田舎であっても、地域住民の最も身近な金融機関である郵便局ならではの工夫ある制度だと思います。

 ところが、地域住民に役立つこういう制度が、民間の金融機関にはシステムとして存在しません。

 もちろん、私の経験では、口座名義を「〇〇代理人□□」と登録して代理人が自由に出金することを可能にしてくれた銀行もあります。

 今日、公正証書を持参して手続きをしようとした某信金では、ごく普通のことですが、任意の代理人を届け出るための書式が社内に存在していません。本部で検討するそうで、それには数日かかるかもしれないとのことです。

 ゆうちょの利用代理人のような制度を、某信金も確立してくれればいいんですが。大手の地銀さん、信金さん、信組さん、ぜひ検討していただけないでしょうか。

 超高齢化社会へ向かうスピードは、人間が考える制度発展のスピードをはるかに超えていると感じています。(桐)

 

 

 

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