イラン革命防衛隊、ホルムズ海峡を封鎖 通過船舶に攻撃と警告
【イスタンブール=渡辺夏奈】イランの革命防衛隊の幹部は2日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖したことを明らかにした。地元メディアの情報として、ロイター通信などが伝えた。通過する船舶には攻撃して炎上させると警告した。
幹部はイラン国営メディアに対し「(ホルムズ)海峡は閉鎖されている」と話した。通過しようとする船舶には「革命防衛隊と海軍の英雄たちが火を放つ」などと主張した。
革命防衛隊はこれまでも船舶に対して通過しないよう呼びかけていた。正式に表明したことで、より圧力を強めた格好だ。
ホルムズ海峡は世界の石油供給の2割が行き交う要衝。封鎖は原油の供給減少や相場上昇を通し、世界経済に大きな影響を与える。
イランは過去にもホルムズ海峡の封鎖をちらつかせ、交渉で譲歩を引き出そうと試みてきた。友好国の中国などにも影響を与えるため、実行したことはなかった。今回封鎖に踏み切ったことで、イランは「切り札」を切った格好だ。
イランは最高指導者のハメネイ師を殺害され、湾岸諸国のエネルギー施設などにも攻撃を広げている。戦闘はさらにエスカレートする可能性がある。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)- 田中道昭日本工業大学大学院技術経営研究科教授ひとこと解説
ホルムズ海峡封鎖宣言にもかかわらず市場の反応は比較的冷静。WTI原油価格はこのシナリオでは90ドル以上との予想もあった中で、足元では70ドル前半で推移、米国株も大きくは崩れず終了。イランの非対称戦中核である封鎖戦術は、中国向け輸出停止、自国収入喪失、さらなる軍事報復等、自分も燃える焦土型カードで長期持続可能性は低いとの評価になっている。市場が本当にパニックになるのは、サウジ・UAE施設が打撃を受けた場合、米軍が実力で封鎖解除に動き直接衝突が起きた場合等と分析されている。問題は、完全封鎖でなくても収束までは市場の不確実性は払拭されないことだろう。引続き戦況悪化やエネルギーの持続的遮断には要警戒。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新) - 植木安弘上智大学名誉教授ひとこと解説
イラン革命防衛隊司令官のジャバリ顧問がイランのテレビでホルムズ海峡封鎖宣言をしたと伝えられているが、封鎖の手段としては空、陸、そして海中からの攻撃が考えられる。1987〜88年のイラン・イラク戦争の際には、イランがホルムズ海峡に機雷を敷設した。オマーン沖で炎上しているスカイライト石油タンカーは飛行体で攻撃を受けたのではないかとされている。米・イスラエル側は当然イランの攻撃手段を排除するだろうが、機雷が敷設された場合には海上輸送にとってより深刻な脅威となる。海峡封鎖が国際貿易・経済に与える影響は、封鎖手段とこの戦争がどの程度続くかによる。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)
関連企業・業界