米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃で、最高指導者のハメネイ師が死亡した。ハメネイ師が率いてきた最高指導部直結の軍事組織が「イラン革命防衛隊」だ。イランにはもうひとつの軍隊「共和国軍」もある。どう違うのか。
革命防衛隊は経済活動にも関与
革命防衛隊は1979年のイラン革命時、革命の指導者でハメネイ師の師匠でもあるホメイニ師が創設した。当時の「国軍」がこの革命に抵抗する可能性があると考えられたためで、「革命政権の維持とクーデターの防止」を目的とする、いわば「親衛隊」としての役割があった。翌80年に始まったイラン・イラク戦争を通じ、勢力を拡大した。
公益財団法人「中東調査会」(東京都千代田区)の斎藤正道主任研究員は、革命防衛隊について「現在は約20万人の兵力で、弾道ミサイルや軍用ドローン、海洋高速船などを保有・運用し、軍事力の中枢を担っている。軍事以外に、ダムや油田の開発といった経済活動にも深く関与している」と説明する。
国軍は国家利益を擁護
一方の共和国軍は、革命前の「イラン帝国軍」の流れをくむ。多くの国家に見られる国の防衛を主な任務とする「国軍」に相当する。兵は革命防衛隊の約3倍で、領海や国境などで国家の利益を守ることなどを主な使命としている。
斎藤主任研究員は「革命防衛隊のほうが組織力を強めていくなか、共和国軍よりも、イランの軍として存在の比重が増していった」と指摘する。昨年6月、イランとイスラエルの間で軍事衝突が起きた際も、革命防衛隊のミサイルや無人航空機がイスラエルへの直接攻撃を展開した。(千葉真)