子どもの盗撮が、学校で相次いでいます。撮影された画像がSNSやネット上にアップロードされ、気付いた時には広く拡散されて大勢の目にさらされてしまっている、ということが現実に起きています。法の整備も追いついておらず、学校の理解も乏しいのが実情。全国各地で急増している盗撮被害の実態や、親が知っておくべきことについて、ボランティアでネットパトロールをしている「ひいらぎネット」代表の永守すみれさんに話を聞きました。

年々増加する盗撮被害 小学校でも

 2024年1月、都内小学校で男子児童が学校で配布されたタブレットを使い、女子児童の着替えを盗撮していたという事件が報道されました。「デジタル性犯罪」が低年齢層にまで広がる現状を前に、わが子も被害者や加害者になってしまわないかと不安になっている親も少なくありません。

 盗撮、児童ポルノなどの違法な画像や動画の売買・拡散といった被害をネット上でパトロールするボランティア団体「ひいらぎネット」代表で、1男1女の母でもある永守すみれさんは、校内の盗撮被害の現状について次のように話します。

 「小学生が1人1台タブレットを所有するようになり、小学校で盗撮の事件が発生するようになりました。ただ校内の盗撮被害の実態として、加害行為の多くがスマートフォンで行われることから、スマホ所有率の高い高校で最も多く、次いで中学校で多く起きています」

 警視庁によると、盗撮行為の検挙件数は大人子ども問わず、2019年が3953件に対して23年は6933件と増加しています。「校内での盗撮は都市部だけではなく、地方の小さな学校でも起こっており、全国で発生している」と永守さん。子どもが盗撮に巻き込まれるのは、決して人ごとではありません。

 永守さんがひいらぎネットを立ち上げたのは今から4年前。SNSで女子高校生の盗撮画像が販売されているのを発見したのがきっかけでした。

 「調べてみると、SNSや動画プラットフォームなどネット上のあらゆるところで、盗撮やリベンジポルノ画像がアップロードされている現実に衝撃をうけました。

 当時、娘が1歳になった頃で、盗撮という犯罪が横行する社会と娘の未来が重なって見えたのです。自分にできることはないかと考え、ネットパトロールの活動を始めました。民間ボランティアですが、実際に被害に遭っている子どもたちを助けたい一心で活動しています」

 活動を通して、盗撮を取り締まる法律にも不備があるなど、たくさんの課題も見えてきたといいます。そうした課題解決に向けて活動する一方、永守さんは盗撮画像の検索、撮影場所の特定、被害者への連絡、学校・警察への通報などを行っており、こうした活動が実を結び、逮捕につながるケースもあるそうです。

 日々のパトロール活動は、盗撮の隠語である「鳥(撮り)師」「逆さ撮り(スカートの中などをスマートフォンで撮影すること)」といったワードで検索をかけるなどの定点観測や、盗撮コミュニティの監視が中心です。しかし「キーワードは移り変わり、画像もSNSにそのまま載せるのではなく、ファイル便のURLで拡散していくなど、加害の手口も巧妙化しているのを実感する」といいます。

 国もこうした現状を問題視。これまで盗撮は都道府県の迷惑防止条例で取り締まってきましたが、23年に「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(性的姿態撮影等処罰法)が施行され、相手の同意なく、身体の性的な部位や下着などを撮影したり、盗撮したりすることは性的姿態等撮影罪にあたると定められました。「警察がより協力的になり、活動をしやすくなった」と感じるものの、盗撮の根絶に向けた大きな動きには至っていないといいます。