「牛は何も悪いことしていない」被ばく牛の殺処分を拒み、ともに生きる畜産農家の15年 #知り続ける
取材を終えて
池田牧場の牛の名前には一頭一頭由来がある。九州生まれの「あつひめ」、クリスマス生まれの双子は「襟巻」をもじって「えり」と「まり」。「たまみ」は母親の「たまえ」から名づけたという。 たまちゃん、と呼ぶとじゃれるようにカメラに突進してくるたまみ。美喜子さん、光秀さんに叱られても知らんふりで、私が今まで会ったどんな牛より個性豊かでとてもかわいい。 美喜子さんは安楽死された牛を埋葬するときにワラをかける。「天国でお腹をすかせないように」と。牛に対する農家の愛情を目の当たりにするたび、命をあきらめるという決断の重みを感じて胸が苦しくなる。 生き物とともに生きることは、死に立ち会うとほとんど同義であると思う。被災地の家畜の多くが、筆舌に尽くしがたい悲惨な最後を迎えたのは事実だが、被ばく牛が教えてくれる事実から目を背けずに記憶をつないでいきたい。そして、残った牛たちが穏やかに旅立てるように祈りたいと思う。 ※この記事は、福島中央テレビとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
福島中央テレビ