イラン最高指導者に37年君臨、ハメネイ師死亡で革命体制は重大な転換点…米軍も反撃受け3人死亡
【ドバイ=吉形祐司、ワシントン=淵上隆悠】イラン国営テレビは1日、米軍とイスラエル軍によるイランへの軍事攻撃で、最高指導者アリ・ハメネイ師(86)が死亡したと伝えた。ハメネイ師は、1989年から37年近く、国防も含む国家の頂点に君臨してきた。ハメネイ師の死が直接、体制崩壊につながる可能性は低いが、確定的な後継者はいない。イランのイスラム革命体制は重大な転換点を迎えている。 【動画】イランの最高指導者ハメネイ師が死亡…首都テヘランの通りに悼む人々
外交・安全保障政策を決定する最高安全保障委員会のアリ・ラリジャニ事務局長は国営テレビに、最高指導者の後任が決まるまでの暫定措置として憲法が定める「指導評議会」を設置すると語り、1日夕に設置が発表された。政府は40日間を服喪期間とした。
イラン憲法は、最高指導者が死去した場合、イスラム法学者らで構成する「専門家会議」(定数88)がイスラム法学者の中から後継者を選出すると定める。後継者が決まるまでは、大統領、司法府長官、護憲評議会のイスラム法学者で構成する指導評議会が職務を代行し、事実上の集団指導体制をとる。
ただ、国営通信などによると、精鋭軍事組織「革命防衛隊」のモハンマド・パクプル司令官をはじめ、最高指導者の上級顧問で国防評議会の事務局長アリ・シャムハニ氏、国防相、軍参謀総長ら国防のトップも会議中に攻撃されて殺害された。ラリジャニ氏は「試練を乗り越え、侵略者に壊滅的な打撃を与える」と報復の継続を表明した。
米メディアによると、米中央情報局(CIA)が数か月にわたりハメネイ師の居場所や行動パターンを追跡。2月28日朝にハメネイ師が出席する会議が指導部施設で開かれることがわかり、空爆が実施された。イスラエルメディアによると、米国のトランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相には、がれきから回収されたハメネイ師の遺体の写真が示されたという。
トランプ氏は2月28日、自身のSNSで、「歴史上、最も邪悪な人物の一人であるハメネイが死亡した」と述べ、「イランの人々だけでなく、米国、世界の人々にとっての正義の実現だ」と強調した。「イラン国民が祖国を取り戻す唯一にして最大の機会だ」と訴え、体制転覆に強い意欲を示している。