中井やまゆり園で不適切事案 内部通報きっかけに外部調査 神奈川県
神奈川県は27日、県立障害者施設「中井やまゆり園」(中井町)で、医薬品使用における安全管理の責任者が配置されていないなどの法令違反が1件、不適切事項が7件あったと発表した。2024年11月に内部通報があり、公益通報者保護法と県職員等不祥事防止対策条例に基づき、外部の有識者による調査委員会を設けて調査してきた。
県によると、内部通報を21の項目に整理して調査を行った。医療法施行規則で決められている「医薬品安全管理責任者」が配置されておらず、職員への研修が実施されていなかったことなどを法令違反と認めた。
また、利用者の精神状態を安定させる時などに、医師が指示した上限回数を超えて抗精神病薬を服用させていたことや、園のルールで調理後2時間が経った食事を廃棄した場合は代替の食事を提供することが定められているのに、実行されていなかったことなどを不適切事項と認定した。
1日20時間を超える居室施錠といった行動制限があり、徐々に身体機能が落ちて車いすになった利用者については、「心身機能に何らかの影響を及ぼした可能性がある」とする一方、「記録からは具体的な因果関係の特定は困難」とした。施錠時間の記録はあったものの、その理由や背景の記録が不十分だったという。
調査委員会は「心身機能に及ぼす影響の分析・検証が行われていなかった証左だ」として不適切と認定した。
黒岩祐治知事は同日、「通報で指摘された内容は、当事者目線の福祉を推進する本県として、重く受け止めなければならない事項であり、改善に向けた取り組みを徹底していく」とコメントした。
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県直営の障害者施設「中井やまゆり園」において、利用者の個別支援計画を作成する際に利用者の意思の把握方法などが不適切だった問題で、県は27日、利用者11人分の介護給付費、計約3千万円を該当する市町村に返還すると発表した。
県によると、2000年度の下半期から昨年度の上半期の施設利用者96人について、26日にまとまった外部識者による最終報告書は、障害者総合支援法の関係省令などが求める手続きがなされていなかったと指摘。「本人に面接しなかった」「アセスメントシートを未作成」「個別支援会議への本人の不参加」という不適切な対応がいずれも重複した11人について、「一連の業務が適切に行われておらず、サービスの品質が法令の要求を満たしていなかった」として返還を決めた。
県は「当事者目線の支援からかけ離れていた。徹底した改善に取り組む」としている。金額は今後の精査で変わる可能性もあるという。