ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で4年。ウクライナから佐賀市へ避難してきたシィロミィロスラヴァ・ミラさん(23)は、帰国できずに諦めていた学業を再開し、「今度はきちんと卒業したい」と大学の講義をオンラインで受講している。
ウクライナから避難して佐賀県で暮らすシィロミィロスラヴァ・ミラさん。日本語で料理の説明をしている=佐賀市のさがんれすとらん志乃県庁店
ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で4年。ウクライナから佐賀市へ避難してきたシィロミィロスラヴァ・ミラさん(23)は、帰国できずに諦めていた学業を再開し、「今度はきちんと卒業したい」と大学の講義をオンラインで受講している。戦闘終結が見通せない中、佐賀での進学も選択肢に入れて将来の姿を思い描いている。
2022年4月。ドネツク州クラマトルスクに住んでいたミラさんは、午前4時ごろにロシア軍による攻撃の音が聞こえてきて恐怖心を抱いた。「8年前にも同じような音を耳にして、爆撃とすぐに分かった」。戦禍を逃れて母や母の友人、ペットのチワワと一緒に西へ向かった。祖母とも合流し、ブルガリアにたどり着いた。
大学の友人が佐賀市に避難しているのを知り、興味を持った。もともとアニメや着物など日本の文化が好きで、「佐賀が避難民を受け入れていると聞いて母に相談した。渋られたけれど、友達もいるからと押し切った」。同12月、3日間かけて佐賀空港にたどり着いた。「自然が豊かで人との距離が近く、クラマトルスクと似ていると感じた」と振り返る。避難していた友人2人とのルームシェアで新生活をスタートさせた。
日本語学校に通い、佐賀市のさがんれすとらん志乃県庁店でアルバイトで働き始めると、日本語がみるみる上達した。「まだ電話予約を受け付けるのは怖いけれど、接客や料理の説明は大丈夫」と頰を緩める。
英語も話せるため、海外の観光客の応対を任されている。「出身を聞かれてウクライナからの避難民と答えると、『頑張って』『応援しているよ』と温かい言葉をかけてくれる。みんな忘れてないんだと分かってうれしい」。
通っていたウクライナの大学は、避難のため退学を余儀なくされた。昨年9月、オンラインに対応した同国の大学に3年生で編入し、受講している。
友人の1人は帰国し、もう1人は東京へ引っ越した。侵攻が長期化し、和平協議は合意が見通せていない。ミラさんは「ウクライナの友人からは寒くて電気が1日3時間しか使えないこともあると聞いた。戦争は人々の普通の生活や将来の夢を壊す。早く終わってほしい」と願っている。(上田遊知)




