玉川学園小学部教師の自死めぐり労災認定 八王子労基署が自庁取消―「理想教育」の影で疲弊する現場
私立玉川学園小学部教師・佐藤馨一さん(当時39歳)が2018年に自死した事件について、八王子労基署は昨年10月、早朝出勤と昼休みを返上した月98時間に及ぶ時間外労働と保護者のクレーム対応による精神的負荷が自死の原因だとして、労災にはあたらないとした従来の処分を取り消し、労災と認定した。
玉川学園は、「全人教育」という標語を掲げる富裕層に人気の有名私立学校だ。その小学部1年生の担任教師だった佐藤さんは、2018年7月に失踪、9ヶ月後に白骨化した遺体でみつかった。自殺と判断された。2年前に幼稚部から小学部に異動したばかりだった。
失踪直前の出来事として、保護者からのクレームに苦慮し、精神的に参っている様子が目撃されている。また、恒常的に、持ち帰り残業を含む長時間のサービス残業をしていた疑いもあった。遺族のなかに同学園の出身者がおり、内部情報を得ていた。
説明を求める遺族に対して学園側は、佐藤さんの労働環境に問題はなかったというばかりで非を認めない。納得できない遺族は労働災害の認定を申請する。だがこれも認められない。審査請求も却下、再審査請求も却下され、やむなく、2024年、国を相手どり労災認定を求める行政訴訟を東京地裁に起こした。
原告側の調査で、佐藤さんの勤務状況はおよそ次のとおりであることが判明した。
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