第六章
第1話:家族会議
【読者の皆様へ、大切なお知らせ】
あとがきに書籍版の特典情報+『Web版の読者全員が無料で馬カスとホロウ&ニアの
また第五章→第六章で少し期間が空いたため、『一分で読めるこれまでのあらすじ』を作りました!
忘れかかっている人も多いと思うので、よかったら使ってくださいませ!(第六章はキャラ紹介など、けっこう丁寧に書きます!)
【第一章】悪役貴族ホロウに転生。ダイヤを助けたり、主人公アレンと戦ったり、不憫可愛いニアを助けつつ、『大翁』ゾーヴァをヌポン。
【第二章】裏カジノを潰したり、先々代勇者ラウルをボコったりしつつ、聖騎士エリザを助けて、『闇の大貴族』ヴァランをヌポン。
【第三章】闇オークションを支配したり、暗殺者ティアラに薬を盛ったり、天才研究者リン&セレスを助けつつ、『獣災』ラグナをヌポン。
【第四章】天魔十傑の下位四人を間引いたり、ニアとエリザと朝チュンしたり、国王バルタザールを助けつつ、『四災獣』天喰を討伐。
【第五章】人界交流プログラムで帝国へ行き、帝都横断脅迫ツアーを実施したり、犯罪結社ウロボロスを潰したりしつつ、『色欲の魔女』リゼをヌポン。
【第六章】これから始まる!
ちなみに……第六章はいつにも増してイベントだらけなので、おそらく過去最高に面白い章だと思います!
エピローグまでの
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『人界交流プログラム』の全日程が終了し、レドリック魔法学校の生徒たちが、王国へ帰ったその日の夜――第55代国王バルタザールの
彼は王城内の私室で眠るように亡くなり、枕元には遺言状が置かれていたとのことだ。
王政府が公開したその内容は、
①ささやかな葬儀を希望すること。
②政治的空白を避けるため、ただちに王位継承選定儀礼――『
③
バルタザールの遺言状は、メインルートのそれと同じだった。
「うぅ、陛下ぁ……」
「ああ、なんということだ……っ」
「バルタザール様、お疲れ様でした……ッ」
王国全土が悲しみに包まれる中、葬儀の準備は淡々と進んで行く。
三日後――聖暦1016年7月18日、バルタザールの
(当代国王の葬儀は普通、三日にわたって実施されるんだけど……)
バルタザールの希望もあり、今回は一日だけの簡略式で行うらしい。
具体的には、王族と貴族による
黒い
(……クライン大聖堂に来るのは、これで二度目になるのか)
前はゾーヴァのお葬式(仮)だったから、ちゃんとしたモノに出るのは初めてだ。
そんなことを考えながら、受付で
(何度見ても、立派なところだな)
メインホールの奥には大きな
大勢の参列者たちは、国王と向かい合うような形で、前から順に王族→大貴族→中小貴族と並んでいた。
「――ハイゼンベルク
係りの人の案内を受け、前から二列目の中央、大貴族のエリアへ向かう。
するとそこには、喪服を
「ホロウも来たのね」
「まぁ、さすがにな」
ハイゼンベルク家の当主として、国王の葬儀を欠席するわけにはいかない。
そうでなくとも、バルタザールとは友達だ。
「陛下、お亡くなりになったね……」
「……惜しい人を亡くしたものだな」
二人でそんな話をしていると、王国の最高神官が
「これより、バルタザール・オード・クライン陛下の国葬を執り行います。まずは
「うむ」
赤髪の第一王女は、祭壇の前に歩みを進め、バルタザールの棺と対面する。
「父上、クライン王国のことは、この
クリスは一筋の涙を流しながら、自身の心の内を熱く語った。
(……うーん、吐き気がするね)
彼女は泣いてこそいるものの、父の死を一ミリも悲しんでいない。
何せバルタザールの寝室に
(第一王女の善性は――『邪悪』)
自分が王になることしか考えていない。
父の死なんて、『イベントの一つ』ぐらいに思っているだろう。
その後は第一王子→第二王子と、王位継承権の高い順に
二人は「必ず王になってみせる」だの、「豊かな国にしてみせる」だの、自分が王になった未来を熱く語る。
ギラギラとした欲望を、瞳の奥に浮かべながら。
バルタザールと向き合わず、他の王族と貴族にアピールしている、「我こそが次代の国王だ」と。
(まぁ、それも一つの在り方かもしれない)
まして彼らは王族だし、王族の流儀があるのだろう。
ただ個人的には……「バルタザールの死を悲しむ言葉が、一つぐらいあってもいいのにな」、と思った。
そんな折、
「――第七王女アリシア・ノル・クライン」
「はい」
美しい金髪の女性が、
「……お父様、どうか安らかにお眠りください」
アリシアは静かに別れを告げ、一輪の白い花をスッと手向けた。
その短い言葉には、王選のアピールなど微塵もない。
ただただ、父の死を
(……原作と同じだね)
第七王女だけは、バルタザールの死に心を傷めていた。
さすがは第六章のヒロインの一人、とても好感の持てるキャラだ。
アリシアが深々と
「ちっ、第七王女の分際で……っ」
「
「
……ほんと、好感の持てない奴等ばかりだね。
王族の
「――ハイゼンベルク家当主ホロウ・フォン・ハイゼンベルク」
大神官の言葉を受け、
「はっ」
ボクは祭壇のもとへ向かい、棺に納められたバルタザールと対面する。
(国のために生き、国のために死ぬ。ボクとは真逆の生き方だけど……嫌いじゃなかったよ)
バルタザールはやり切った。
命の
王国の未来のために身命を賭した。
(そういう一本筋の通った生き方は――やっぱりかっこいいと思う)
バルタザールの死を
(……しかし、満足そうな死に顔だね)
棺の中の国王は、穏やかな顔を浮かべている。
ボクが魔力を貸し与えた結果、バルタザールは少しだけ生き永らえ、
きっと安心して
(まぁあの一件は、ボクがハイゼンベルク家を継ぐための下準備なんだけど……)
ホロウルートを攻略する過程で、善良な原作キャラが幸せになるのなら、それはとても嬉しいことだ。
「じゃあね。またそのうち、墓参りにでも行くよ」
小さな声で別れを告げ、クルリと
「――エインズワース家当主ニア・レ・エインズワース」
「はい」
ニアの献花を見つめながら、ボクは静かに思考を深める。
(バルタザールは優秀な王だった)
不安定な経済を立て直し、帝国の侵攻を二度も食い止め、『
(ただ……
最前列の中央に立つ、三人の王族へ目を向ける。
王選の大本命は、
二番手は、尊大な第一王子ツァリオン。
大穴として、強欲な第二王子ネードリヒ。
残念ながら、第七王女アリシアに勝ちの目はない。
(クリス・ツァリオン・ネードリヒ、誰が王になっても、この国は滅びる……)
王国の未来は、『破滅End』と決まっているのだ。
(でも、それはちょっともったいない)
確かに王国は、沈み行く泥船だ。
しかし、四大国の一角という『
ボクが国を乗っ取り、最大限有効活用させてもらおう。
そうこうしているうちに、最後の貴族が献花を終えた。
「これにて献花式を納めます。皆様、バルタザール様へ祈りを――」
参列者一同が
彼はゴホンと咳払いをして、大きな声を張り上げる。
「明日の正午より、王位継承選定儀礼――王選を開始する!」
その瞬間、大聖堂に緊張が走った。
王選では、この場にいる全員が
誰を味方に付け、誰を敵に置くのか。
どの陣営と手を組み、どの陣営を
(さぁて、始めようか……!)
ボクの作った『最強の攻略チャート』――『王位
■
バルタザールの国葬から帰ったボクは、ハイゼンベルク家の自室に閉じ籠る。
(第六章は、これまでで一番イベントが多い)
こうしてゆっくり戦略を練れるのは、おそらく今この時間が最後になるだろう。
小さく息をつき、静かに思考を深めた。
(明日からいよいよ『王選』が始まる……)
本来のホロウルートでは、王選に勝利して当家の地位を高め、ハイゼンベルク家を継ぐ――という流れだった。
でもボクは、第四章の終了時点で当主の座に
単純計算、『二章分のショートカット』に成功しているのだ。
(となればここは、さらに上を――『王位』を目指すべきだろう!)
四大貴族の次期当主から、四大貴族の当主へ。
四大貴族の当主から、クライン王国の国王へ。
今こそまさに『王の舞台』へ羽ばたくときだ。
(つまり、第六章のクリア条件は――王位を獲ること!)
このときに備えて、大量の準備してきた。
だから、きっと大丈夫だ。
(次に考えるべきは、『どんな王になるか』)
一言に王と言っても、二通りのパターンが存在する。
①ボクが『表の王』として君臨する。
②他の王を立てて
(個人的には――②が理想だ)
国の実権を
(でも……さすがにちょっと難しいかな)
これを実現するには、クリアすべき条件が多過ぎる。
本筋として表の王を狙い、もし可能であれば、裏の王に切り替える――これが現実的なラインだろう。
(圧倒的な優位盤面を築いた今、下手に無理をする必要はない)
有利な状況に
地道にコツコツと小さな利を積み上げ、ローリスク・ミドルリターンを狙う、これこそが『謙虚堅実な姿勢』だろう。
後はそう、二つの大切な要素を回収しなくちゃいけない。
(一つ目は、あの『超激レアイベント』!)
極めて特殊な条件下に限り、この章には存在する、
過酷なホロウルートをクリアするには、圧倒的な武力が必要不可欠だから、なんとしても成立させよう。
(二つ目は、大ボスの『
彼だけは、
メインルートにおけるルシフェルは、主人公の可能性に魅せられ、アレンの仲間になってしまう。
(勇者陣営の強化、それは駄目、絶対に駄目……っ)
どんな手を使っても、阻止しなくちゃいけない。
っというわけで、第六章の目標は三つ。
①王選に勝利し、王位を獲ること。
②原作ホロウの強化イベントを回収すること。
③大ボス『堕天使』ルシフェルを家族に迎えること。
①~③をクリアすれば、第六章は『完全クリア』だ。
(そして忘れちゃいけないのが、この章にも仕込まれた『例のアレ』――『死亡フラグ』だ)
今回の内訳は確か……中盤に一つ、終盤に一つだったかな?
どちらも策を準備しているけど、油断せずにしっかりとへし折ろう。
もちろん、ランダム発生の暗殺者イベントにも注意しなきゃだね。
(最後に主人公アレン対策だけど……)
これについては、『とっておき』を用意してある。
最も効率的で効果的な『最強の一撃』だ。
(くくっ……アレン、悪いけどキミには、完全なモブに落ちてもらうよ?)
今後はただのヒロインとして、ボクの傍で指を咥えているといい。
第六章の
(とにもかくにもこの章は、今までで一番難易度が高い……)
イベント管理を厳格にこなし、適切なルートを選ぶ必要がある。
(念には念を入れて、もう一度シミュレーションしておくか!)
(……よし、イケるぞ!)
ボクが万全の態勢を整えたそのとき、不意に<
(ボイド、時間よ。エメとウルフ以外の幹部は、みんな集まっているわ)
(わかった、すぐに行くよ)
<
漆黒のローブと仮面をかぶり、
これから始めるのは、『第一回:家族会議』。
ボクの集めたコレクションが――大ボスや中ボスたちが勢揃いする、最高にエキサイティングなイベントだ!
ふふっ、きっと楽しくなるぞ!
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【※読者の皆様へ、とても大切なお知らせ!】
本作『極悪貴族、謙虚堅実に無双する』は、3月10日に電撃文庫より発売するのですが……。
当然、あります、無料の特典
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■アニメイト:4pリーフレット ・エンティアの欲求「悔しい……でも、逆らえない」 ホロウとエンティアの絡みが好きな方はこちら!
■アニメイト:電子特典SS ボイドのその後(ニアの『アフターフォロー』を考えないと) 第一巻のその後、ボイドの思考が描かれています!
■ゲーマーズ:4Pブックレット ・ニアの甘い妄想「まるで『白馬の王子様』みたい……ではないわね」 第一巻のその後、ニアのホロウへの思いが描かれています!
■ゲーマーズ:オリジナルA5アクリルプレート&通常版と同じ内容の4Pブックレット(有償特典)
■メロンブックス:SSリーフレット ・ホロウとダイヤの修業(ふふっ、これは『嬉しい誤算』だね!) 幼いホロウとダイヤの絡みが描かれています!
■メロンブックス:ミニアクリルパネル&通常版と同じ内容のSSリーフレット(有償特典)
■Bookwalker:電子特典SS ・アレンの確信「やっぱりホロウくんは優しいね」 ホロウとアレンの勘違いが好きな方はこちら!
■カクヨムユーザー限定の無料特典①:馬カスのグルメ~おでん編~ 3月3日に配信!※詳細は後述
■カクヨムユーザー限定の無料特典②:ニアの羞恥「お、女の子に『よく食べるな』とか言わないの!」 3月10日に配信!※詳細は(ry
いやぁ……我ながら、たくさん書きましたね!
全て本編時空の物語なので、好きなキャラのエピソードを狙ってみてください!
石油王の読者様がおられましたら、全種類コンプリートしていただけると嬉しいです!
※特典の数には限りがあり、再配布の予定は現在ありません。
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そして3月3日と3月10日、カクヨムユーザーに向けて、本作のSS(馬カスとホロウ&ニアのエピソード)がメールで送られます!
これを受け取る条件は2つ!
①本作【極悪貴族】をフォローしていること!
②自身のアカウントで、「フォローしたコンテンツに関する特別なお知らせ」を「受け取る」にしていること!
以上です!
本作をフォローしていないと、このSS2本は今後永遠に読めないので、どうかお忘れなきように……!(ついでに下の『☆で称える』の+ボタンを3回押して、ホロウの物語を応援していただけると嬉しいです!)
最後になりますが、【極悪貴族】書籍版の予約・購入、どうかよろしくお願いいたします……っ。
次の更新予定
毎日 23:59 予定は変更される可能性があります
世界最強の極悪貴族は、謙虚堅実に努力する【書籍版】極悪貴族、謙虚堅実に無双する~原作知識と固有魔法<虚空>を駆使して、破滅エンドを回避します~ 月島秀一 @Tsukishima
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