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エミヤの飯が食べたすぎて困る/Novel by りょーこ

エミヤの飯が食べたすぎて困る

15,732 character(s)31 mins

タイトルそのままの話です。
これもn番煎じのような気がします。。。

ランサーがエミヤごはんで孤独のグルメしてくれないかな〜っ考えてたらできました。
でも孤独のグルメではない…何故ならハードボイルドさがないからです…。

・ランサーがご飯をたくさん食べています。
・まだ出来ていない槍弓ですが……?
・キャスターとマスターも出てきます。
・とにかくごはんです。

スケベまで行ってないんですけど、そーか、初夜か…などと思ってしまったのであった…(初夜好き)

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(む……)
 ランサーは眉を寄せて目の前のチキンソテーを口腔内へと導いた。表面の皮は美しい焦げ目で覆われている。早速その皮を噛みしめてパリパリという小気味いい音と食感を楽しみ、滲み出る油や腿の部位と思われる肉からあふれ出るジューシーな肉汁に攻め込まれ、絶妙の塩加減と、それに掛けられているトマトソースの甘酸っぱさがランサーの味蕾に追い打ちをかける。
(美味いな…)
 そんなランサーが食事をとっているのは、カルデアの食堂のテーブルで、本日の厨房の担当は赤い弓兵であるエミヤであった。いつも夕食には二種類のメニューが用意されていて、本日のメインはチキンソテーかカジキマグロの竜田揚げだ。甲乙つけがたいと思ったが、肉の気分だったためチキンとした。基本的に夕食のメニューは前日に誰かがレイシフト先で狩ってきたものに左右されやすい。昨日は誰かがカジキを釣って帰ったようだ。鳥は何の種類を使っているかまではわからないが、エミヤの手にかかれば何だって美味しくなる事を皆が知っている。
自分もその中の1人だ。
サーヴァントは基本的に食事をする必要はないとはいえ、食事もいわゆる娯楽の1つであるし、体液などに比べれば少ないが、魔力の糧ともなる。ランサー自身、今まで召喚された先でもその時代の食事を試したり、自分で簡単な料理を作ったりしたことも多々あった。もちろん冬木の時には現代でもあり食事の機会には事欠かなかったからあれこれと買って試したし、たまたま口にした衛宮士郎の作る料理も中々のものだったが、こうして常にエミヤの食事をとるようになって、過去の食事とは格が違う事を思い知らされている。
 元々それほど食事にこだわりの無かったランサーだったが、何度も食べるうちにエミヤの作る料理に徐々にはまっていき、今では楽しみの一つとなっていた。
 エミヤとの仲は基本的には良くは無い。たまたま召喚された先で何度も出会う事が多かったというだけで、基本的に彼の考え方は自分とは全く合わない。勝つためには味方をも欺き手段を択ばないというスタイルは、腹が立つを通り越してあきれるほどだ。だが、ここカルデアでは仲間であるということもあり、チームを組めば共に戦うが、クラスの兼ね合いもあるため機会は決して多くはない。だから顔を合わせても言い合いになればこそ、馴れ合うことはなかった、筈だったが───彼の料理だけは別だった。
(これも美味い)
 チキンソテーに添えられているのは極細に千切りされ、ふんわりと盛られたキャベツと、確か施設内でエミヤ自身が育てているという噂の小さなトマトが幾つか、隣にはマカロニ入りのポテトサラダが半円の形で陣取り、その斜め前に乗せられた小さなガラスの器には、エミヤ特製の根菜ピクルスが小さく盛られていた。これはどうしても肉の脂でぬるついてくる口の中をリセットするのに最適で、どんどん食が進んで困るほどだ。これは大盛りで盛られる米が今日こそ足りないかもしれないと思いながら、味噌汁の椀を持ち上げて啜る。
味噌汁の中には名前もわからないキノコや野菜が入っているようだったが、それだけではなく、何かしらの魚の出汁を感じてハァと恍惚のため息をついた。この味噌という調味料には素晴らしく心を和ませるパワーがあるとランサーは思う。
素朴で、毎日飲んでも飽きない。
どんな材料をも抱擁する力を持っている。もちろんエミヤが作っているからこそのこの味わいなのだと言うことは理解しているつもりだけれど、それにしたって美味いのだ。
(これに肉が入っているやつも最高なんだよなぁ)
 そんな事を考えながら、ひじきという海藻の煮物が入った小鉢を持ち上げて食べ、ほうと息をついた。
 黒い海藻と共に細切りにした野菜を煮たものだ。甘じょっぱい味付けが、やはり米に合う。
途中米が足りないかと思ったいたが、上手く食べきり腹も充分に満ちた。
満足げに息を吐き、すこし温んだお茶を飲む。お茶は緑茶を焙煎したものらしく、ほうじ茶というそうだ。鼻腔をくすぐる香ばしい香りが堪らない。
そのすっきりとした味を堪能しつつ、最後に残ったデザートに目をやった。皿を手前に引けばフルリと揺れる。苺フルーツムースというらしいそれにスプーンを慎重に差し込んで少し持ち上げ、口に運べば体温でぬるりと融けて、まったりとした甘さとフルーツによる甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。ゼラチンで固めただけのように見えて、その実はもっとランサーの考えが及ばないようなレベルで細やかに調理されているのだろう。
今度は二層になったそれのピンク色の方を食べてみると、今度はシュワリと融けて消えたようにみせかけて、爽やかな酸味とこっくりとしたミルク系の味わいが残り、ずっと食べ続けたくなる。美味い。上に乗せられたクリームと一緒に食べれば尚のこと美味い。菓子はオンナ子どもが食べるものだと思っていた時期もあったが、それは考え違いだと教えられているようだ。
 よし、今日も満足だ。そう思いながら手を合わせ、一呼吸置いて立ち上がった。
冬木で教わった事だが、日本では食事をする前に手を合わせ、終わった後にも手を合わせる。いただきます、ごちそうさまは材料や、作った人に対する感謝や敬意を表すそうで、この料理に敬意以外になにが払えるのだとランサーは常に思っている。
ゆっくりとトレイを持ち上げ、カウンターへと向かう。そこでは明日の仕込みを既にしているらしいエミヤがランサーに気づいて顔を上げた。ゆっくりと視線が絡み、トレイがエミヤの手に渡った瞬間に、ランサーはいつものように声をかける。
「ごっそーさん」

Comments

  • チクタク
    June 20, 2025
  • わんわんお

    今猛烈にチャーシューが食べたいです!!!!!!

    December 29, 2024
  • 暁緋
    January 8, 2018
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