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「これからも地元で創作したい」 安房出身の漫画家・市橋イズナさん

 2026年02月28日 03時00分
漫画を描く市橋さん

市橋イズナさん。安房で生まれ育ち、安房を拠点に創作活動をしている女性漫画家だ。“3大少女漫画雑誌”の一つである「なかよし」(講談社)で4年余り続けた連載をこのほど終えたばかり。「今後も『安房の漫画家』として創作を続けたい」と語る。次の作品では、安房を舞台にした物語を構想中だ。


市橋さんは、小学生の頃から漫画家になるのが夢だった。高校生の時、雑誌のコンテストに初投稿したが、卒業後は漫画とはまったく関係のない企業に就職した。

だが10年ほど前、「今、描かないと後悔する」と思い立ち、創作を再開。2018年には漫画雑誌で初連載のチャンスをつかみ、プロとしてのデビューを果たした。

21年9月からは「なかよし」で、「もふもふ男子 アル川パカ之助くん(アル川くん)」の連載を、不定期ながらスタート。動物のアルパカの男子高校生と、人間のクラスメートたちのほのぼのとした日常を描き、ちょっぴりシュールで癒やされる独自の世界観を繰り広げた。

 

「もふもふ男子アル川パカ之助くん(アル川くん)」


この他の作品には、市橋さんが安房地域での暮らしで得た思い出や経験が、さりげなく練り込まれている。

20年に漫画アプリで連載した「戦国ごはんの丸根さん」は、派遣社員の女性・丸根さんが、「戦国時代が好き」という趣味を通じて気の合う人たちと出会ったり、戦国時代に食べられていた食べ物や焼きみそなどを作ったりするグルメあり、ドラマありの作品。この中には、丸根さんの故郷で身近だった食べ物として「くじらのたれ」が出てくる。そこから派生してクジラ肉を使って汁物を作る話も登場する。丸根さんが初対面の人に出身は「千葉県の下の方」と自己紹介すると、相手から「里見氏はパッとしない」と言われて“カチン”とするシーンもある。「アル川くん」の作中にも、登場人物の背景に、実際にある安房地域の観光施設や道の駅の建物が描かれている。

 

「戦国ごはんの丸根さん」


市橋さんは、今後も安房に腰を据えて創作活動を続ける考えだ。

「今の時代、編集者との打ち合わせはメールや電話でもできる。都会に住んでいなくても漫画は描ける。地元に住むことで、すぐに取材に行ける強みもある。安房の漫画家として今後も創作を続けたい」

「アル川くん」は電子書籍のみで、Amazon kindleから購入できる。

(前木深音)

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