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イラン最高指導者ハメネイ師「死亡」 米大統領が発表 軍事攻撃受け

イスタンブール=根本晃 ワシントン=青山直篤

 トランプ米大統領は2月28日、イランの最高指導者ハメネイ師について「死亡した」とSNSで発表した。米国とイスラエルの攻撃で殺害したことを米国として確認したことを示すものだ。これに先立ち、イスラエルのネタニヤフ首相も、ハメネイ師が死亡したことを示す多くの兆候があるとの見方を示していた。

 一方、イランのアラグチ外相は、ハメネイ師の安否について米NBCに「私の知る限り、生きている」と述べていた。

 トランプ氏は米NBCの電話取材に対し、イランの指導層のうち「多数」を殺害したとも語った。事実であれば、米国とイスラエルによる先制攻撃で最高指導者を含む首脳部を一斉に殺害したことになり、イランにとっては打撃で、国際法上も違法性が疑われる。1979年のイスラム革命で成立した現体制を揺るがす可能性がある。

 トランプ氏はSNSへの投稿で「彼(ハメネイ師)は、イスラエルと緊密に連携した我々の情報機関や追跡システムから逃れることはできなかった。彼も殺された他の指導者たちも、(攻撃の前に)なすすべがなかった」と主張。「極めて正確な激しい爆撃は今週、あるいは必要な限り、妨げられることなく続く」と述べた。

 トランプ氏は28日、米アクシオスの取材に対し、今回の攻撃の「出口」も検討していると述べ、「長引かせて全部引き受けることもできるし、2~3日で終えて、イラン側に『(核計画を)再開した時にまた会おう』と言ってもいい。いずれにせよ、この攻撃から(イランが)回復するのに数年はかかる」と述べた。

 米国とイスラエルは28日、イランに対し大規模な軍事攻撃を開始した。トランプ米大統領はビデオ演説で、作戦の目的をイランの核やミサイルの開発阻止だと説明。イラン国民に対し「我々(の攻撃)が終わったとき、政権を奪い取れ」と体制転換を促していた。米政権高官は28日、ロイター通信などに対し、イラン側が「先制攻撃」に踏み切る兆候があったと主張した。

 ネタニヤフ首相は28日の演説で、「(首都)テヘラン中心部にある暴君ハメネイの拠点を破壊した」と主張。ハメネイ師が「もはやいないという兆候が多くある」と述べた。

 イランは長年にわたって米国やイスラエルと対立してきた。2023年10月にイスラム組織ハマスによる攻撃を受けたイスラエルは、パレスチナ自治区ガザに侵攻して以降、イランの支援を受けてきた各地の武装組織への攻勢を強めた。昨年6月にはイランへの先制攻撃に踏み切り、米国もイランへの核施設への爆撃で参戦した。

 昨年末から今年1月にかけては、経済の苦境などをきっかけにイラン国内で反政府デモが拡大。当局は激しい弾圧で応じ、数千人規模の死者が出た。これを批判したトランプ米政権は空母打撃群を中東地域に派遣して軍事圧力を強化。2月に入ると、仲介国オマーンを介してイランとの核協議を再開したが、28日にイスラエルと共同でイランへの攻撃に踏み切っていた。

 イスラエル軍は28日夜、イランのナシルザデ国防軍需相や革命防衛隊のパクプール司令官ら、イラン国防関係の高官7人を殺害したと発表した。

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学
青山直篤
アメリカ総局員
専門・関心分野
米国、国際政治・経済、日米関係、近代史
  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院教授=米国政治外交)
    2026年3月1日7時30分 投稿
    【視点】

    イスラエルメディアは「ハメネイの遺体の写真を入手した」と報道し、アメリカでもFOXニュースなども「ハメネイ死亡」を報じたが、イラン側は否定しており、現時点では情報は錯綜している。 この投稿でトランプ大統領は、「イラン国民が自らの国を取り戻すための、これまでで最大の好機」と強調し、改めてイラン国民に対して体制転換への蜂起を促した。イラン革命防衛隊や警察に対しては「平和的にイランの愛国者たちと合流」するよう求めた。他方、軍事行動は「今週を通じて、あるいは必要な限り、途切れることなく」継続されるとも述べており、今後も軍事行動は続く模様だ。昨日、トランプは今回の軍事行動の目的がイランの体制転換にあることを示唆し、米兵の犠牲もやむなしとも述べたが、現状では、イランの体制転換はあくまでイラン国民に委ねる意向のようだ。

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2026年3月1日8時5分 投稿
    【視点】

     ハメネイ師死亡の情報が事実とすると、少なくともしばらくの間は、イランに司令塔が存在しない状態になります。そうなると外交交渉での取り引きが難しくなります。さらにイランの革命防衛隊や軍も、統一的な方針をもたずにイスラエルや中東に所在する米軍基地を攻撃する可能性があります。事態が複雑化し、予測が難しくなりました。小さな出来事が引き金となって中東全域への紛争拡大、場合によってはコーカサス地域、ヨーロッパに影響が拡大する可能性があります。

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