脳トレゲームで認知症リスクが25%低下か 米研究

ゲームが難しくなるにつれて、画面にはますます気を散らすような画像が追加される/Posit Science

ゲームが難しくなるにつれて、画面にはますます気を散らすような画像が追加される/Posit Science

追加の練習も必要

訓練プログラムの対象者はまず5週間にわたって週2回ずつ、60~75分間の対面訓練に臨んだ。1年目の終わりには、訓練を受けた3グループのそれぞれ約半数が追加として4回、各1時間の訓練を課された。さらに3年目の終わりにも4時間の訓練があった。

正式な訓練はこれで終了したが、20年後に研究チームが高齢者向け医療保険制度「メディケア」の記録と照らし合わせたところ、分割的注意の訓練を受けたグループだけは、認知症の診断例が対照群より25%少なかった。

ただしアルバート氏によると、リスク低減がみられたのは第三グループのなかでも、追加訓練を受けた人々に限られていた。

この結果に対して専門家からは、コンピューターによる訓練と認知症予防の決定的な関連が示されたわけではないとの声も上がっている。

また、これまでにACTIVEのデータを使った別の研究では、記憶と推論の訓練を受けたグループも、それぞれ記憶力や考えて実行する機能が向上したと報告されていた。

スピード訓練はなぜ脳にいいのか

注意分割のスピード訓練だけに認知症を防ぐ効果がみられたのはなぜか。また、最大でも合計わずか22.5時間の訓練が何年も先まで有効と思われるのはなぜか。結果を説明するにはさらなる研究が必要だが、アルバート氏の仮説はこうだ。

「まずゲームはかなりハードで、特に楽しいわけでもない」「週に2回取り組むのは骨が折れる。いつもとは違った脳の働かせ方をしていたことになる」

「つまり訓練で脳全体のニューロンが活性化し、結合性や弾力性が高まった可能性がある」

米フロリダ州にある神経変性疾患研究所(IND)の研究責任者、リチャード・アイザックソン博士は、ゲームがプレーヤーの上達に応じて難しくなったり、うまくできないと易しくなったりする「双方向性」に着目する。その結果として脳が鍛えられ、認知予備能(脳に損傷や老化、病変が生じても、それに順応して正常な機能を維持する能力)が高まったという説だ。認知予備能が高い人は、アルツハイマー病の特徴であるたんぱく質の「アミロイド」「タウ」が脳に蓄積していても、発症はもっと後になるケースが多い。

ゲームの長期的な効果にかかわる要因は、さらにもうひとつ考えられる。昨年10月の研究では、スピード訓練によって脳の覚醒度、集中力や注意力を高める神経伝達物質「アセチルコリン」の減少が抑えられたとの可能性が指摘された。

答えを探す研究が続くなか、専門家らは認知訓練について、脳の健康状態向上に向けた道のりの一部にすぎないと強調。健康的な食生活や定期的な運動、血圧と睡眠の管理なども不可欠だと呼びかけている。

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