小学館のマンガ配信アプリ「マンガワン」の報道について。編集部から正式発表があったので、真実とみてコメントします。
まず、被害に遭われた方とご家族に心よりお見舞い申し上げます。人の心と体に癒えることのない深い傷を負わせる行為は、人間として守るべき一線を越えた、極めて重い問題です。加害者は立場を利用した数々のむごたらしい行為で逮捕・略式起訴され罰金刑となっており、その後の編集者の(示談への)関与も不適切。別ペンネームでの新連載も、あまりに拙速すぎると言わざるを得ません。更生の機会は重要だとしてもです。
国会議員が民間の会社に対して意見するのは(圧力にもなり得るので)避けるべきですが、私は元漫画家でもありますので、あえて3点提案いたします。
(1)小学館はこのところ不祥事が続き、漫画家側から見て「直後の対応」が毎回良くないことから、外部の機関を設置し、調査・改善を目指すべきではないか。
(2)今回問題になっているのは原作者の方であり、作画担当の漫画家さんは全く関係ない。まさに降って湧いたような災難であり、もはやある程度の(例えば機会的な)補償がなされるべきではないか。
(3)今回問題になっているマンガ配信アプリで、抗議のため配信停止の手続きをする漫画家さんが多く出ているが、だからと言って「配信停止をしない漫画家さんを叩く」のは絶対に違う。それはもはや正義の暴走であり、厳に慎まなくてはならない。
・・・今回、原作者と作画家は一度しか面会したことがなかったそうですが、「原作者側(または作画家側)で問題が起こった時に、もう一方はどうするか」という観点は、業界ぐるみで欠けているように感じます。
同じく小学館の「セクシー田中さん」のドラマ版の件で、私(赤松)はこうコメントしました。
x.com/KenAkamatsu/st
その中で、「(原作者への)事前説明の徹底」と「二次使用に関する契約書」の詰めが甘いことを指摘しています。
大変難しいですが、漫画業界としてそろそろ、
・片方(原作or作画)が問題を起こしたときに、災難に遭ったもう一方への補償方法。
・その際、作家の交代をどう考えるか。
・もし原作者と作画家の争いになった時、その作品を扱っていくか。
などを考え始めるべき機会だとも思っています。